とめ継ぎを正確・より簡単に
とめ継ぎがむずかしいのか、マイターボックスがむずかしいのか、額縁の中でもいちばんオーソドックスでシンプルだと思っているとめ継ぎの額縁。
マイターボックスを使って作ろうとすると、とめの合わせ目がぴったり来なくて、意外と苦戦することが多くないですか?
45° +直角 にカットできれば、カットできた材料の片方を裏返せば、それでワンコーナーできあがり‼︎ といきたいのですが、45° はともかくとして、直角がむずかしい。
マイターボックスは、
ボックスそのものの固定 + 材料の固定 + のこぎりの選び方・使い方
がとめ継ぎをうまく仕上げる使い方のコツなんですが… 今回は、前に作った直角ツールを使ってのこぎりだけでとめ継ぎを完成できないか⁈ のトライアルです。
直角ツール+ 45° セット+あさりなしののこぎり でとめ継ぎカット

目指している額縁のサイズは、額縁の内側の長さで30✖30cmという小さなサイズ。一辺の材料の幅はわずかに3✖1cmしかありません。
ここで使った直角ツールは「のこぎり - 直角に切るためのガイドツールを作成する」で紹介した、杉田 豊久さんが提案してくれていたもの。ダボ切り用として使うあさりなしののこぎりとセットで使うことを前提にしたツールです。
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私が使っているあさりなしののこぎりは
岡田金属 製造・ゼット販売 発売の Craft(クラフト)145。
- 材料に45° 角になるように墨線を引き
- その墨線に合わせて直角ガイドツールを固定
- 直角ガイドツールのマグネットシートにのこぎりを貼り付けて
あとはのこぎりを引くだけ
マイターボックスではカットしたあとのとめ継ぎを合わせようとすると、垂直方向に90° になっておらず、微妙に切り口が歪んでいました。
そのため、カットが終わった材料を水平な床に置いてとめ継ぎ部分を合わせようとすると、微妙に隙間ができている状態でした。
その切り口を合わせようとすれば、額縁が横から見るとまがった形になることがありました。
そのため、かんなを使って調整するわけですが、当然のことながら材料の長さが微妙に違ってしまいます。つまり、正面から見た形も歪んでしまうわけです。
直角ガイドツール+あさりなしのこぎり の今回の方法では
- 45° 角の墨線の精度
- 直角ガイドツールを45° 角墨線に合わせて固定するときの精度
という2つの点に注意が必要です。
また特に、マグネットシートに貼り付けたのこぎりの引き方(切り方)に慣れが必要です。切ろう! 切り下げよう!! という余計な力が入ってしまうと、マグネットシートどおりにのこ刃が動かず、垂直に切り下げることができなくなります。
のこぎりの刃が材料を切るスピードに任せ、のこ刃+マグネットシートの位置関係を変えないよう、力まずにのこぎりを動かすことに集中してください。
それができれば、カット完了 = とめ継ぎ完成、つまり、微調整がいらないそのままで水平・垂直が 45°・90° のとめ継ぎが完成します。

実は今回の額縁は3枚セットの作品を収めるために3つ作りました。
つまり、とめ継ぎが 4✖3 の 12 個必要だったのです。額縁1つあたり、とめ継ぎは 4 本✖2。つまり、カット総数は24。ただ、カット回数が増えると精度が落ち、歪んだ額縁になってしまうだろうと思ったので、実際のカット数は12にして、1カットごとに材料を裏返して使う方法を選びました。
4辺のうちの向かい合う辺が表どうし、裏どうしになるような作り方です。
切り口が垂直 90° になっていなければ4辺が最期に合わなくなってしまうはずですが、今回の試験ではほぼ文句なく、その切り口がしっかり向き合ってくれました!!
直角ガイドツールの改造版 - とめ継ぎ専用のガイドツールを作ろう
直角ガイドツールはもともと、材料を水平・垂直に 90° になるように作成したものです。
今度の試験で、マイターボックスよりはるかに簡単に水平・垂直が 45°・90° になるようにカットできることが分かりましたから、墨線がなくても、材料の1辺に合わせれば切り口が45° 角になるように作り変えたガイドツールも用意しようと思います。