マイターボックスを使って分かるツールの便利さ
留め継ぎのように木材を小口に対して斜め45°で切断するような場合、たとえば、額を作ろうとするときには4辺、4本の材料の左右、上下で計8か所の45°カットを必要とするわけで、何度切っても同じ精度の材料が切り出せることが必要です。
その点、マイターボックスはガイドツールの便利さがよく分かるツールです。
材料を固定する手順をおしまずに、のこぎりの引き方にも気をつけながら作業を進めれば、同じ45°カットが繰り返せます。
ただ、そのマイターボックスにも限界があります。
- マイターボックスは作業台の特定の隅に固定することが前提になっているとか、
- マイターボックスの構造によっては、木材を固定する際、クランプがかけにくいことがある とか、
- 材料のサイズはマイターボックスに入るものであること、
- ある程度の厚みがある方が加工しやすい とか
そして一番は(最大の特徴でもあるのですが)、
- 木材の小口を横挽きにする加工を主な目的としたツールだということ
言い換えると、正確な切断をサポートしてくれるガイドツールにはそれなりに使い方に気をつけなければならない特性があるということになるでしょう。
杉田 豊久さんの『超画期的木工テクニック集』
で紹介されているガイドを作る
特にのこ刃の動きが自由にならない分、マイターボックス初心者にはちょっとむずかしいツールかも知れないと感じるところもあります。
そこで今回は、額縁を作ろうという機会に合わせて、杉田 豊久さんの『超画期的木工テクニック集』 を教科書にのこぎりによる切断作業をサポートしてくれるガイドを作ってみようと思います。
MEMO:
この著書で紹介されているガイドも工作台にクランプで固定して使うもので、その点は市販のマイターボックスと変わりはありません。
治具とか補助具とか呼ばれるツールを自作することを勧めている著書は数多くありますが、実際に自作をしてみると材料を加工するとか、目指す仕上がりをイメージするとかといった木工(加工)に必要な技術がどういうものかがよく分かります。
みなさんも自分によく合った著書を見つけて技術を高める助けにしてください。
杉田 豊久さんのアイデアも簡単・便利という点で私の一押しです^^
作り方はいたって簡単。ノコ刃があたる部分にマグネットシートを貼り、板の端部に材がズレないようにするためのストッパーを接着するだけ。
杉田 豊久さんの『超画期的木工テクニック集』から
その説明に合わせて最寄りのホームセンターで実際に調達できたのは
- 100×910×24 mm の栂材と
- 15×900× 6 mm の檜材、そして
- 1oo×300 mm のマグネットシート
です。
MEMO:
数件のホームセンターを回って確認できたのは、用意されている木材の多く、特に厚さ10mmを超える材料の多くが2×4(ツウバイフォー)、あるいは2×6(ツウバイシックス)の規格になっているということでした。
小口のサイズ100×18 mmというサイズどおりの材料を探すのは大変かも知れません。
目指すガイドは形もシンプルです。
作り方
ベース板(100×220×18mm)の断面(木端)にマグネットシートを貼ります。その後、板の端部にスコヤをあてがい、ストッパー(断面寸法3×10mm程度の角棒)を直角に接着します。
それでできあがり!^^
そもそもなぜマグネットシートなのか!?
マイターボックスのように溝がないのに垂直、直角に木材を切断できる杉田 豊久さんのアイデア、私の一押しの理由がそこにあります!
普段使い慣れたふつうの(?) のこぎりとはちょっと違うのこぎりを別に用意しなくてはならいないのですが、使ってみると、こうした補助ツールがプロの仕上げに近づくアイデアだということがよく分かります。
それにのこぎりの引き方、特に「のこぎりで切る」という感触はこれなんだなということを覚えることもできます。
是非ご自身の目で確かめてください^^