なぜ仕事をしているのか - 「働く動機」って何だろう??

仕事の原理、マネージメントの原理を理解してどうしようとしているのか

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実践するドラッカー【思考編】」という著書の「働く動機」という章の中にこんな言葉がありました。

ある人が工事現場の脇を通りかかり、汗を流して働いている数人の石工に、「何をしているのか」と問いかけました。
一人目の人は、こう答えました。「これで食べている」と。
二人目は、手を休めずに答えました。「国で一番腕のいい石工の仕事をしている」と。
最後の一人は、目を輝かせて答えました。「教会を建てている」と。

『現代の経営』の逸話はここで終わっていますが、この工事現場の一番奥には、こう答える石工がいました。「この地区の心の拠り所をつくっている」と。

出典:上田 惇生氏 監修 / 佐藤 等氏 編著・「実践するドラッカー【思考編】

目指す論点がまったく違っているのは分かっているのですが、この一説を読んで、働く目的はほんとうに十人十色。働く人の数だけ目的があるんだなとあらためて感じています。

転移したがんのためにこれ以上今の仕事を続けることができないと言って仕事を離れた人さえ含めて、介護認定を受け、ケアマネージャーの指導に合わせて親を介護するという仲間がいたり、子どもを預ける保育園が決まった、子どもから離れることに戸惑いがないわけではないけど、産休から仕事に復帰したいという仲間がいたり…

そもそも私自身はなぜ働いているのだろう? なぜ働きつづけようと考えているのだろう?
55歳定年の時代に生きた自分の父親などは、少しでも早く引退して、仕事をしなくてもいい年金生活に入りたがった人だったのに、そういう動機とか、動機につながる仕事観や人生観というのは片りんだけでも遺伝したりしないものなのだろうか?? と思ったりもします。

ドラッカー氏はどこかでその説明をしてくれているものでしょうか?

私たち日本人は、日本の国民として「教育」「勤労」「納税」という3つの義務を負っている… とまだ子どものころに教わりますね。

「働くことはあたりまえ」、しかも納税という経済活動につないで2つの義務を同時に果たそうとしているのだとしても、なぜ・なんのために働くのか? という疑問を持つ必要がどこにあるのか、ちょっと不思議な感じです。

いえ、働きながら疑問を持っているというわけではないのかも知れません。
最初に何かの目的 - たとえば結婚して自分の所帯を持ちたい、その所帯を守っていきたいという動機があれば、形はどうあれ経済的な活動をしなければなりません。

その時点で なぜ・なんのために… の答えは出ているのです。
それ以上悩んだり、別の答えを求める必要はないはずなのです。

なぜ働くのか。義務を果たしながら生活するために… それで終わりのはずなのです。少なくとも日本国民としては?!

この著書の帯にこんな言葉が綴られています。

20枚の実践シートで「成果をあげる考え方」を身につける

なぜ成果をあげる必要があるのでしょう? さらにこんな言葉も綴られています。

成長し続けるためには、
どのような「思考」と「行動」が必要か。
成果をあげるために身につけるべき能力と
心すべきポイントをセリ↓、
セルフマネジメント実践の書。

なぜ「成長」ありきだと決めてかかった書き方がされているのでしょう?

働く動機は十人十色、千差万別だが、「成長」し「成果」をあげることが仕事なんだと言っているように思えます。

雇い主に仕事を与えられ、労働を売って対価を得ている者に必要なことなのでしょうか? 自分の労働力を高く評価してもらい、使い続けてもらえるようにでしょうか?

ならば「成長」のない、「成果」をあげようと思わない、現状維持で十分だという仕事があるとしたらどうでしょう? それは仕事とは呼ばないことになるのでしょうか?

この著書のまえがきに戻ってみるとこう書かれています。

すべての仕事に原理がある、とドラッカー教授はいいます。仕事の原理を見極め、目的に向かって、それに適した道具を、的確な方法で使いこなしていく。成果をあげる人はみな、そうした習慣が身についています。

目的を知らなければ、いくら方法を極めたところで、目標とする地点にたどり着くことはできません。方法だけを学んでも、特定の出来事にしか対応できませんし、無数に方法を覚えることは不可能です。

ドラッカー氏は日本国民ではありませんから、その義務云々は言っていません。
“仕事がある” というところからはじめているのです。

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どういう仕事であるのが望ましいのか、なぜ経済活動をしているのかを現象として説明はしてくれていますが、その仕事にどんな意味を見出すべきかまでは教えてくれるわけではない。

ドラッカー教授はハウツー本を一冊も出していません。そうではなく、背後にある原理をえぐり出してくれるのです。

もしその原理が理解できるところに到達できたとしたら、その原理が自分にとってどんな意味を持つのかを自分でなければ、もう分からないだろうと思うのです。

to be continued …

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