WORK SHIFT が語る ”現在” と “未来”

未来の暮らしを予見することができるだろうか

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未来を正しく理解して未来に押しつぶされない職業生活を築く - そのことがとても大切だという著者 リンダ・グラットン氏は、その正しい理解・正しい選択のために、今の私たち自身が持っている間違いを正すべきだと言っています。

あげられている事例を順序にたどってみると、今の私たち自身を根底から作り変えなければいけない! そう言われているような気になってくるのですが…

はたしてそういうことができるでしょうか??

最初に語られているのは専門性です。

第一に、ゼネラリスト的な技能を尊ぶ常識を問い直すべきだ。

(中略)

それに代わって訪れる新しい時代には 、本書で提唱する 「専門技能の連続的習得 」を通じて 、自分の価値を高めていかなくてはならない 。未来にどういう技能と能力が評価されるかを知り 、その分野で高度な技能を磨くと同時に 、状況に応じて柔軟に専門分野を変えることが求められるのだ。

新しい時代では自分の価値を高めなければならなくなる、というのですが -
ここで言われている「専門技能」とか「専門分野」というものは、これまで私たちが持っているイメージのものとはちょっと違うという感じがしますね。

何が違うのか? それは「専門」というイメージです。
「石の上にも三年」とか「仕事は見て盗むもの」とか、専門知識とか専門技能というものには、封建的で閉鎖的なイメージがつきまとっています。

連続的に習得する⁇ なんていうことができないからこそ専門技能だったはずなのです。時間をかけて積み上げるからこその「専門性」であり、尊敬に値する!? しかも、そんな価値観はひと時代以上むかしのもの。

だからこそ、オールラウンダーとかゼネラリストが重宝されてきたということですよね?

この一節は、専門性を持った自分を目指そう - しかも、バリエーション豊かな?? 専門性を身につけようと言っているように聞こえます。
これはいったいどういう意味でしょう?

社長の思いを実現するのが仕事だとしたら
(c) Can Stock Photo

そして次に語られているのが脱個人主義とも言えるものです。

第二に、職業生活とキャリアを成功させる土台が個人主義と競争原理であるという常識を問い直すべきだ。私たちがいつも時間に追われ 、孤独を感じる傾向がさらに強まれば 、人間同士の結びつき 、コラボレ ーション 、人的ネットワ ークの重要性がきわめて大きくなる 。難しい仕事に取り組むときに力になってくれる人たちも重要だし 、斬新なアイデアの源になりうる多様性のあるコミュニティも重要だ 。活力を補給し 、精神のバランスを保つためには 、親密で 、温かく 、愛情のある人間関係も欠かせない。

この話しも、今の私たちの現実と正反対のことですよね。

仕事やキャリアに欠かせないものだと考えているかどうかは別の話しだとしても、
組織ありき・”縛り” ありきではなく、しがらみとか風習・慣例といった縛りをなくして、人間同士の結びつきを希薄にすることが個人や個性を尊重することになるという選択をしてきたはずなのですから。

個人や個性をどう尊重すればいいのかを私たちはまだ学びきれず、個性を尊重しきれずに苦しんでいるような気がします。それくらい、個人や個性はまだ私たちの意識の中心にあるのです。

けれど、その私たちは孤独だし時間に追われていると断定されています。
私たちは個人や個性を大切にしようとしている? ように感じているのですが、もしそうなら、個性を求め突き詰めれば孤独は避けて通れないものではないのか? むしをそれを私たちは選ぼうとしてきたのではないのか… とも感じます。その “常識” を変えなさいと言うのです。

2つの切り口で著者が言おうとしていることを確認しようとしてみると、私たちの「今」をどう捉えるかという点で、著者と私たちの間に隔たりがあるような気がしてきます。

どこかで何かかけちがっているように思うのですが、どこで間違っているのでしょう?

これまでの2つの切り口はそのあとの第3の項目につながっています。

第三に、どういう職業人生が幸せかという常識を問い直すべきだ。これまでの常識どおり、貪欲に大量のモノを消費し続けることが幸せなのか。それとも、そうしたライフスタイルが代償をともなうことを明確に認識したうえで、質の高い経験と人生のバランスを重んじる姿勢に転換するほうが幸せなのか。

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専門性の大切さを認識し直し、個人&競争ではなく、つながり&コラボレーションで幅広い発想を持つ。それがどんな仕事観・人生観で生きていくか - 仕事に何を求めるかという価値観を支えてくれる、そんなことを言っているのではないかと思うのです。

かけ違ったものを知るためにも、何を専門性と言っていたのをもう一度、著者が語ろうとしているものを確認してみようと思うのです。

to be continued…

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