取扱説明書・マニュアルを作る - そのコンセプトは簡潔なはず
今の取扱説明書・マニュアルの必要性とか方法を考えてみようとする中で最初に感じるのは…
マニュアルはユーザーに何を伝えようとしているのだろう?
という疑問。
そしてその次に感じるのは…
どんなツール・技術を使って伝えようとしているか・表現しているか?
という疑問。
つまり、何をどうやって伝えるか・伝えているか? ということになるのですが、これって、取扱説明書・マニュアル作りのすべてじゃないの?! ということになってしまいそうですね?^^;
長年、マニュアル作りに取り組んできた現場の人間として信じてきたのは、
- 製品の使い方を正しく伝える
そして - ユーザーの安心・安全、そして満足を守る
のがマニュアルの役割りということ。
だから -
「マニュアルはユーザーに何を伝えようとしているのか?」の答えは
「ユーザーに満足してもらえるよう、製品を安心・安全に正しく使う方法」と言えるだろうと考えています。
表現の仕方によって伝わる情報のニュアンスはさまざまに変化します。変化しますが、「何を伝えるか」 - 言ってみれば取扱説明書・マニュアルのコンセプトにあたる部分が変わっては困るのです。

選ぶ媒体によっては情報は伝わらなくなる?!
ただ、技術が変わるのに伴って、伝わるもの・伝わり方が変化しはじめているということには注意が必要です。- その代表選手が インターネット です。
たとえば、製品の使い方に属する説明をインターネットで公開 - 発信 - するとしたら、取扱説明書・マニュアル作成のコンセプトが守れるか… その視点が必要なのです。
印刷物に説明文+説明を補足するイラスト
という形で表現されていた製品の使い方という情報をインターネットを使って公開 - 発信 - すると、その情報を受けとめるデバイスの種類 - PCか、タブレットか、iPhoneか… など - によっては説明文とイラストの位置関係を保てず、その2つのコンビネーションで伝えようとしていたものは伝わらないということが起きます。
左にイラスト、右に説明文
というようなレイアウトを想像してください。
レスポンシブ対応のウェブページとしてその説明(情報)を発信してしまえば、上にイラスト、下に説明文というような自動置き換えが行われ、「左の図に示すように… 」という表現が使われていたとすると、その説明が成り立ちません。
「図に示すように… 」と説明文を書き換えたとしても、iPhoneのようなディスプレイのサイズによってはイラストと説明文を見比べるということができず、「図に示すように… 」と言われたユーザーは画面を上へ下へと行ったり来たりしなくてはならなくなり、結果、伝え方としてこの技法はユーザビリティに欠ける! ということになるのです。
パソコンモードなら 左にイラスト、右に説明文のレイアウトが可能だとして、モバイル機器のディスプレイに対してそのレイアウトを維持したまま表示を強行しようとすれば、字が小さくて読めない! - つまり、モバイル・フレンドリーがない! 情報になってしまうでしょう。
何と伝えるか vs. どう表現するか
この例のように、情報というのは、どんなスタイルで伝えようとするかによって伝わり方、伝わるものが違ってくるということを知っておくことが大事だろうと思うのです。
- 何を伝えるか
- どう表現するか
- どんなスタイルに乗せるか
実は、この3つのエレメントを組み合わせて情報は出来上がる… そのイメージを持ってマニュアル作りを実践し、効果を確かめてみようと思います。