生活の基盤となるライフライン周りのものは契約と手続きの確認を
見送る側、相続する側を経験するとすぐに直面するのは
- 不動産(実家の建物や土地)
- ライフライン(電気、ガス、上下水道、電話、その他新聞など)
- 保険
- 年金
- 銀行口座
- 自動車
つまりは、耐久消費財とライフライン、その運用に必要な金銭管理 - これは言わば生活の基盤になるもので、手続きは基本的に直接血のつながった親族が相続するものです。相続のために必要な手続きも、その親族が行うことを前提として成り立っているものと考えればよいでしょう。
ですからもし、子どもに迷惑をかけないようにと考えるとすれば、その基盤の部分から押さえていくべきなのだろうと思います。税金対策なども、自分のためではなく、相続する立場になる、自分に一番近い、普段いつもいっしょに過ごす人のためですから、集中力も維持しやすいでしょう。
そうした生活の基盤となるものはある意味意識しやすく、法定相続人という言葉があるように、責任の所在が否応なく決まっているものですから、必要な手続きを取るためだけであっても支援を得やすいのです。
MEMO: ライフラインの名義変更や解約は(代理人による手続きも不可能ではありませんが)直接の親族の仕事と思って対応するようお勧めします
生活用品こそ普段から整理を
その一方、普段の生活に欠かせないもの、なくても支障がないもの - これはあげたらきりがないだろうと思います(ざっと思い出せるものを挙げたのが下のリスト*1です)。私の実家(両親と兄妹5人で暮らした)の場合、4LDK+バス、トイレに納まっていたものは、段ボールの数にしておよそ70。運搬には2tトラック満載状態にして2台+自家用車に約8台という分量。
業者に頼んだ2tトラックの分の積み込み、運搬、廃却の料金はおよそ250,000円。自家用車で公共の廃棄所、焼却場宛に運んだものはガソリン代のみ。
私の場合、
- 箪笥 x 5
- リビングボード x 1
- キッチンボード x 1
- リビングテーブル x 1
- 折りたたみテーブル x 1
- 洗濯機 x 1、冷蔵庫 x 1
- 本棚 x 2
- (庭で使う)2連梯子 x 1
はそのまま残して運び出す必要がない契約にしたのですが、これらを運び出していれば、さらに200,000円を超える追加料金がかかっていたと思います*2。金額はともあれ、10畳のリビングにいっぱいに詰め込んでも入りきらない分量だったと言えばなんとなく想像してもらえるでしょうか。
*2: 梱包や運び出しの作業はすべて自分でやる契約での値段です。運び出しを含めて依頼すれば、3割程度割増しになると思っていただければよいと思います。
料金は業者によって差がありますから、運び廃却してもらうもの、運び出しの作業の範囲など見積りを依頼しながら相談してみる必要があるでしょう。
5人が家族として全員がそろっていた頃のままの生活用品が残っていたわけではなく、子どもたちが結婚して家を離れるごとにそれぞれの生活用品は少しずつ整理を進めていました。父が他界したあとは、さらに整理を進めてもいました。それでも、途方に暮れる分量の生活用品だったことは間違いはありません。
そして、最終的に残っていたものを見てみれば、古いものほど残っている - 私たち子どもではなく、両親にとっての思いでの品物ほど残っていたのです。結婚前の両親の写真などはそのいい例だろうと思います。そして、両親にとって大切だったものほど、後に残された子どもにはどう扱えばよいか分からないということもあり得るということが分かったのです。
生活用品こそ、終活で最大の力を必要とするものだと思います。実家をリホームする際も、売却、あるいは取り壊すとしても、避けて通ることができないエレメントです。避けて通ることができないという意味では、特に、決断がむずかしいエレメントでもあります。
遺族となる自分の家族にその決断や判断をさせずにすませることができるのであれば、それこそ終活の目指すものだろと思うのです。
*1 実家から運び出した生活用品の数々
キッチン、ダイニングの
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リビング、ベッドルームの
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子ども部屋の
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トイレ、バスルームの
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その他
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