見取り図ができたら墨付けを
見取り図ができたら、実際のサイズにあてはめていきます。椅子に座って使えるようにしようとしていますから、椅子の高さと人の体格、特に刺繍枠を載せる面の高さと幅を決めます。この2つのサイズが決まると、
- 脚の太さ
- 枠の上下の部品の太さ、厚さ
- そして
- 各部品の組み方
が決められるようになります。
MEMO:
1に構造、2にサイズ、3に加工と材料
部品のサイズと調達できる木材の関係は
ただし、ここで注意しなくてはならないのが、調達できる木材のサイズです。店頭で売られている標準サイズの木材を基準にするか、有料•特注でサイズ加工してもらう木材を使うかによって作ろうとするもののサイズと加工、手順が違ってきます。
ご存知のように、木材のサイズは昔からの家屋を測る単位 間 (一間=約180cm) が基準になっています。そして、売られている木材の棒状のものや板材はかなりの割り合いで 半間 (三尺、約90cm)を基準にした長さになっています。家の中で使うものは最大でもこの半間をサイズの目安としておくと、使う場所や置き場所を確保するときに便利です。
椅子に腰かけて使うデザインにするため、実際の椅子の高さと幅を測り、台の高さ(刺繍枠を載せる面までの高さ)は70cm。奥行40cm、幅55cm。そのサイズを基準にして各部品のサイズを決めます。
部品となる木材のサイズと墨付けの時に注意すべきは
目指すサイズを見取り図に重ねてみると墨付けの大切がよく分かると思います。
たとえば
- 緑色の〇の位置を注意しなくてはならない 高さ調整枠 上の長さは
55cm - 脚 後ろ厚さ×2
そして - この高さ調整枠 上の長さが決まればと 脚 後ろ連結固定材 上・下のほぞ内側の間の長さが決まります
高さ調整枠 上の長さ÷2で求めた長さを 脚 後ろ連結固定材 上・下それぞれの中心から左右に測った位置、そしてさらに脚 後ろの厚さを加えた位置、この2か所が連結固定材のほぞの位置
- 青色の〇の位置を注意しなくてはならない 脚 上板に開けるほぞの中心は
脚 上板の長さ÷2で求めた脚 上板の中心から左右に20cmの位置 - この脚 上板に開けるほぞの中心が決まれば、脚 前、脚 後ろのほぞの長さに合わせれば受け側のほぞの加工場所が決まる
というように、正確な墨付けには、常に基準となるサイズとそれぞれの位置関係を考慮した個別の計算が必要です。
この見取り図、組み立ての際の部品の位置関係とサイズの関係をしっかりイメージ、確認しながらの墨付けが作成を成功させるためのキーですから、慎重に進めましょう。
左右、上下の木材それぞれを重ねたりして、位置を確認しながら進めるのが墨付けを成功させる秘訣です。各部品の位置関係を確認しながら進めるのですから、この墨付けがしっかりしていれば実際の加工も安心して進めることができます。
- 2 × 脚 前
- 2 × 脚 後ろ
- 2 × 脚 上
- 2 × 脚 下
- 4 × 高さ調整枠(2 × 長辺 / 2 × 短辺)
- 2 × 脚 後ろ連結固定材 上・下
- 2 × 高さ調整枠固定用ダボ
- 1 × 固定材 上 前
部品の総数は17
90cm基準の出来合いの木材を使うとすれば、1本の木材から部品2点を作ることができるのは太文字で示した部品ですから、調達する木材の本数は14本。
例えば1本300円平均とすれば、木材購入にかかる費用は4200円(+消費税)という作品です。
さて、加工の実際がどんなものになったかは次回に。
to be continued…