墨付け ー 墨差しを使う

さすが職人さんの道具 その1は 墨差し

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墨差しは竹を使った特製のペン。よくぞこういう形、こういう機能のものを考案したものだと感心しませんか?^^ 今では街角で見るということはなくなっているかと思いますが、その昔、大工さんが働く様子が身近にあった時代、墨つぼをかたわらに置いて、大きな角材を相手にさしがねと墨差しを使っていた姿を思い出します。

ヘラ(縦向きのペン?)の形に加工した竹の、穂先になる部分に細かな切り込みを入れて墨を含ませることができるようように作られているのが墨差し。さしがねや水平器など測定の道具と近いところに置いてあることが多いように思いますが、ホームセンターへ行くと、1本100円足らずの値段で購入することができると思います。もちろんピンキリで、数本をセットにしたものや精密に仕上げたもっと高価なものもあります。

writing tip of carpenter's drawing tool in Japan
墨差しの穂先

筆で文字を書くのに硯(すずり)を用意するように、墨差しはもともと墨つぼとセットで使うもの。墨つぼに入れて墨を含ませてある真綿から墨を分けてもらうようにして線を引くのに使うのですね。なんと言っても、墨差しを紹介する一番の動機が、引いた線の鮮明さです。

この墨差し、大工さんたちは自分で作る方も多かったように聞いたことがありますが(大工の棟梁をしていた親族がいたので)、墨差しや墨つぼを使っている大工さんを見ることがほとんどなくなっているような気がしているものですから、それも墨差しを紹介する動機になったかも知れません。

墨差しで鮮明な線を引く

how to hold your sumisashi
墨差しの持ち方

墨差しの持ち方、構え方はややアップライト(墨差しがまっすぐ気味)。また、穂先が平らなヘラ状ですから、さしがねのエッジを基準にして材料に対する角度を垂直に保ちやすいのです。

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今はデジタルでCADを使うことが多いのでしょうか。製図の心得、経験がある方はカラスグチ(烏口)という線を引くためのツールがあるのをご存じではないかと思います。墨差しの原理はペン先やカラスグチと何ら変わりません。つまり、墨が多すぎれば墨線はにじんで不正確になりますし、少なすぎればかすれて、やはり正確には使えない線になります。

difference between lines of pencil and sumisashi
墨差しと鉛筆

墨差しで引いた線の鮮明さは一目瞭然! ですが、
ただ、墨差しでの作業には墨つぼか、それに代わる墨を用意しなくてはなりませんし、その手入れや管理など手数が増えてしまいます。

鉛筆よりははるかに高額になりますし、墨差し自体の使い方も練習しなくてはならないでしょう。1本、2本の墨線のために用意する道具ではないように思いますが、墨付けの腕前を上げ、材料を選んだ作品作りに挑戦するようなレベルになったら、揃えてみてもいいかも知れませんね。

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