のこ刃の目? - 「寸目」の意味とは
7寸目、8寸目というときの「寸目」とはどういう意味でしょう? 7寸目と8寸目では何が違うのでしょうか?
1寸は私たちが慣れ親しんでいるcmでいうと約3.03cm。7寸=約21.21cmと8寸=約24.24cmです。この長さの中に並んでいるのこ刃の数が同じと考えてください。その結果、違ってくるのはのこ刃1枚あたりの長さ、つまりは刃の大きさです。
たとえば、並んでいる刃の数を50枚だとして(あくまで話しを分かりやすくするための参考数値です)計算してみると、7寸目と8寸目の違いが分かります。違いをより分かりやすくするため、9寸目も並べてみましょう。
7寸目=21.21cm=212.1mm
212.1÷50(刃の数)=4.242mm(刃1枚あたり)
8寸目=24.24cm=242.4mm
242.4÷50(刃の数)=4.848mm(刃1枚あたり)
9寸目=27.27cm=272.7mm
272.7÷50(刃の数)=5.454mm(刃1枚あたり)
分かりましたか?^^ この例で言えば、7寸目ののこ刃が一番小さい=細かいということです。刃の大きさは 7寸目 < 8寸目 < 9寸目 と刃渡りを示す数値が大きくなるごとに刃1枚あたりも大きくなります。ちょうど同じ刃数の鋼板を拡大したり縮小したりするイメージがのこぎりのサイズ x寸目 なのです。
この図はあくまでイメージですが、刃の数が同じブレードを刃渡り7寸に縮小すれば刃は細かく、刃渡り8寸に拡大すれば刃は大きく・・・そのイメージが持ってもらえるでしょうか?
それにしても、長さを寸、刃(あるいは数のこと)を目というあたりは、大工さんの世界では昔からの度量衡が生きているということの証しなのかもしれませんね。
私が普段使っているゼットソーの仕様を確認してみましょう。私たちにはなかなかピンとこない尺、寸をmmと結びつけてくれている製品だということが分かります。
単位: mm | ||||
ピッチ | 刃渡り | 板厚 | 切り幅 | |
7寸目 | 1.2 | 225 | 0.4 | 0.56 |
8寸目 | 1.4 | 250 | 0.5 | 0.66 |
9寸目 | 1.75 | 265 | 0.6 | 0.92 |
こうしてゼットソーに表示されている仕様表を見てみても、「7寸目 < 8寸目 < 9寸目」 が確認できますね。刃を小さく、細かくするということはのこ刃自体が薄く(板厚)、短く(刃渡り)なりますから、のこぎりとしてもより小ぶり、計量になります。
MEMO:
ゼットソーの刃、製品名に使われている数字
- ゼットソースリーIII265とかゼットソー300などの265、300 -は刃渡りを示しています。
刃の大きさを示すピッチとは?
ピッチは刃のサイズと言えば分かりやすいでしょう。実際には1つ1つの刃の先端と先端の間の距離のことです。
ピッチというのは英語をカタカナにしたものですから、たとえば、「ブレードの長さ 265mm、刃のピッチ 1.75mm」という組み合わせで使うのが正しいのかも知れませんね。寸目の世界では刃そのものの大きさを何という単位で表していたのでしょうか?^^;
ともあれ、刃渡りが大きくなると刃もそれにともなって大きく厚くなる - つまり、「刃渡り - ピッチ - 板厚」 はセットでのこ刃の規模を決めていると覚えて置いてください。