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ショッキングな現実も自分ではなく、人のために活かすという発想

日本人にイノベーションは向かない。
日本人の社会は年長者尊重の気風が強い。
固定観念に縛られない新しい発想がイノベーションのエネルギーだが、そうした新しい発想は組織に慣れきっていない、より若い人間に特長的なもの。
ところが、そのエネルギーを発動させる権限は年寄りにあり、悪いことにその年寄りの知識や経験は古くなり固くなってしまっていてイノベーションにつながる「新しさ」を評価できない

私たち年長者にはとてもとても耳の痛い、厳しい話です。

耳が痛いだけに、単純に受け入れてしまわずに何かカウンターを出したくもなるのですが、その前に一度、言われたことをそのまま飲み込んでみることもできるはずだよな… と思わせる説得力も感じる話です。
なぜなら
年長者のアドバイスが、若い仲間たちの思いや行動を縛ったり、重荷になる恐れはないだろうか
若い仕事仲間のために私たち年長者ができることは何だろう
そんな考えが自分の中にあることを意識してきたからです。

変えたい! 変わりたい! の思いを実現させてやりたいとすれば

Wikipediaの記述をもう一度確認してみると、「イノベーション」は

… つまり、それまでのモノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことを指す。

出典:Wikipedia・「イノベーション

ことだと説明されています。

私の会社は受注で成り立っていますが、

  • クライアントからの注文を満たす という基本的な営業活動と
    一般社員のそれまでの業務をベースに
  • 一般社員に新しい(追加の)役割りを求めながら
    組織構成・人員配置、そして責任と権限の所在を変更する

という改革に取り組んでいます。旧 vs. 新 をあえて言うのであれば 2:3、あるいは 2:4? とも言えるでしょうか ^^;

この新しさをどう受け入れるかで、社内は動揺に包まれかなり騒然とした雰囲気にありました。
そして、その中で感じたのが、「このままではいけない!」という意見は必ずしも「変えよう! 変えるんだ!」という意志とイコールではないということでした。

 

改編の活動も6か月を過ぎ、8か月を過ぎようとする今、変化の雰囲気や意味がどんなものかが分かりはじめたのか、仕事に向かう仲間たちは落ち着きを取り戻してきたのですが…

改編をリードする立場にいる者として

リーダーシップは本来、権威によって生まれるものではありません。それは責任意識によって生まれるものです。

というこの著書とまったく同じものを感じるようになりました。つまり、改編とか改革のレベルとか深度 - 言い換えると、変わろう! 変えよう! とするモチベーションのレベルは自分の仕事や会社が目指すものを理解しようとする問題意識によって変わってくるし、その問題意識の持ち方で責任意識の方向とか意味合いもまったく違ったものになるということが分かってきたのです。

 

変わろう! 変えよう! とする意識、変化へのモチベーションとか、仕事仲間ひとりひとりの問題意識、責任意識は、部署の運営をディスカッションしようという目的で仲間が集うミーティングにはっきりと現れます。

 

多様性が創造性に昇華されるには、組織内に「思考の多様性」や「感性の多様性」が生まれ、それが結果的に「意見の多様性」につながり、組織内に建設的な認知的不協和が発生する必要があります。

(中略)

重要なのは、人と異なる考え方/感じ方をどれだけ組織構成員ができるか、そして考えたこと/感じたことをどれだけオープンに話せるかという問題です。これは属性の問題というよりも「多様な意見を認める」という組織風土の問題であり、さらには」「多様な意見を促す」という組織運営に関するリーダーシップの問題だと捉える必要があります。

出典:山口周 氏著・「世界で最もイノベーティブな組織の作り方 (光文社新書)

これは、イノベーションの芽をどう育むか、イノベーションの成長には何か必要かを語ろうとしている一節ですから、私の理解の仕方は切り口が違う! ということになるかも知れませんが、山口氏が言っている意見の多様性を感じさせる・持たせるにはどうしたものだろうと感じているのです。

リーダーが話題を振ればそれなりの反応はできのだけれど、そこ止まりで自らその枠を広げたり変えたりしようとすることが少なく、意見を交換する・戦わせるというレベルにはほど遠いのです。
言ってみれば イノベーション以前!? ということなのかも知れませんが、多くの仲間が風当たりの少ない、いつもどおりの場所に自分の居場所を求めはじめている… そんな気がするのです。

端的にホフステードは「権力格差指標の小さいアメリカで開発された目標管理制度のような仕組みは、部下と上司が対等な立場で交渉の場を持てることを前提にして開発された技法であり、そのような場を上司も部下も居心地の悪いものと感じてしまう権力格差指標の大きな文化圏ではほとんど機能しないだろう」と指摘しています。

(中略)

つまり「日本人は、目上の人に対して意見したり反論したりするのに抵抗を感じやすい」という事実と、「多くのイノベーションは組織内の若手や新参者によって主導されてきた」という事実は、日本人が組織的なイノベーションにはそもそも向いていないということを示唆しています。

私が感じる 冷めた感じ? を助長するものがあるとすると、私たちのような年長者の存在だろう - 今の改編の活動がはじまった当初から私自身が感じていたのが、この 年功序列 でした。

私たち日本人の 礼節 を重んじる文化をプラスの面から見るなら、冷めているのではなく、年長者の適切な判断と指示を仰ぎ、その判断を忠実に実現しようとする感覚が社会や組織を支えているということもできそうです。
そもそも イノベーションだって日本のものではない!!

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私たちは日本人を脱したいと思いながら、自分の一番深いところで日本人を越えられずにいるのかも知れないなと思ったりもします。

けれど、高齢化社会が一目で分かるような、「2010年の人口ピラミッド」を示して、年長者が若い仲間の精神活動・実務を阻害しかねない!? ボトルネックになっている?! と言われるとぎょっとします。
要するに、若い仲間の力を思う存分、発揮できるようにしてやりたいと思いながら、その頭を押さえる存在でもある… のかも知れない - それは私自身が常々感じていることでもあるからです。

一見して、イノベーション推進の中心となる30歳以下の層が薄く、50~60代の層が厚いという構造がわかります。この異常な人口構成が、多くの企業や非営利組織でのそれに相似していると考えれば、現代の企業組織の多くが、いわゆる「見晴らしの悪い」人工構成になっていることが窺われます。目上の人に意見したり反論したりすることに強い抵抗を感じる(=権力格差指標の高い)日本社会において、この「下が薄くて上が厚い」組織構造は、極めて大きなイノベーションの阻害要因になるだろうと考えられます。

(中略)

「下が薄く、上が厚い」日本の組織にとって「泣きっ面に蜂」ともいえるのが、いま現在進行しているデジタル化やグローバル化という非連続な事業環境の変化です。
なぜなら、こういった大きな環境変化が起こると、シニア層がずっと蓄積してきた知識やノウハウの多くが急速に無価値になるからです。

to be continued …