「良い」マニュアル、「悪い」マニュアルって何で決まるの?

マニュアルの作り方を学ぶなら、「伝え方」を考えよう!

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「どうしてあなたたち技術者が
マニュアルを作るの?」

出典:グレイステクノロジーのCM

これはキャッチフレーズと言うのでしょうね。
ずいぶんたくさんのことを言おうとしているように思うのですが…

最初に感じるのは、振られた技術者はかわいそうだなということ^^;

なぜなら、製品の仕様を渡されて、製品を作っているのは技術者。そして、製品を分かっている者でなければ製品を説明することはできないという発想で

技術者=マニュアルを作る人(原稿作成者)

という公式ができあがってきた様子を見てきたからです。

ただその一方で滝川クリステルさんが語るキャッチフレーズがたくさんのことを言っているな、と感じるのは、文字通り、公式はそれだけではないんじゃないか⁉︎ という感触があるからです。

伝えるのは製品?! そして、ユーザーを守るのがマニュアルの役割り??

技術者がどうこうということではなく、たとえば「マニュアルを通して製品を伝える」というテーマを中心に考えてみるのです。客観的に、ユーザーのために、という視点で。

そうすると、たとえば、製品を分かっている技術者は、製品を、分かっているようにしか説明できないのじゃないか⁉︎ という疑問が出てくるのです。

製品を製品として説明することのどこに問題があるんだ!? という疑問も出てくるかも知れませんが、「ユーザーのために」を「ユーザーに伝える」というふうに置き換えてみるのです。

製品を分かっている技術者は、製品を、分かっているようにしか説明できないのじゃないか⁉︎ ということは、別の言い方をすれば、技術者は、製品の仕様を十分に理解し、ユーザーの利便を形や使い方に置き換えている人たち。言ってみれば、形や重さ、強度、使い勝手、安全性などなどを含めた製品の製造のプロ - 専門家 - ですから、その人たちが語る言葉は技術用語、技術者用語になっているかも知れない
つまり、一般の人たちにちゃんと伝わる言葉になっているだろうか? という切り口が、ユーザーに伝える・ユーザーのために、という視点ではないかと思うのです。

マニュアル作りの中心は技術者なんだろうか? という疑問はあるのですが、たとえば、
マニュアルはそのメーカー、その企業を伝えている - 原稿作成者はそんなイメージを持って仕事をしているだろうか?

経営者はマニュアルで何を伝えるようにと指示しているだろうと感じるのです。

企業 → ブランド → 製品 → マニュアル

とつないでみるとその意味が分かるだろうと思います。

マニュアルはそれでなくても読まれなくなっている? と言われているし、マニュアルがなくても製品は使えるよね!? とユーザーも思っているのを感じる。現に、マニュアルがない!? ように見える製品がいくらでもある時代になっている。

その一方で、マニュアルは技術者ではなく、マニュアル作りのプロに任せなさいというアピールがあるのです。だからよけいに、冒頭のキャッチフレーズはたくさんのことを言っているなと感じるのです。

マニュアルはやっぱり必要?!

マニュアル作りに関わる人たちが集まり、「マニュアル」や「情報」、「伝える」ということなどを2日間にわたって考える・発表するイベントが開催されたのはこの8月のことでした。

テクニカルコミュニケーション シンポジウム 2018 というタイトルで開催されたイベントの中でも、”技術者が作るマニュアル” という意味合いの言葉や議論がされていました。
そこには、私が感じているのととてもよく似たディレンマをかかえ、それを解決したいと考える人たちがたくさん集まっていたのです。

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マニュアルを作っている人たちがこれほどたくさんいる… それは私には驚きでもありました。

製品のパッケージを開いて、配線をつなげば… 電源を入れれば… それ以降はほとんど開かれることがなくなるマニュアルにはそんなにお金をかける意欲もわきそうにありません。

そんなイメージのマニュアルに、あれほどたくさんの人たちが知恵をしぼりながら取り組んでいる。
だから、もう一度、何のためにマニュアルを作っているのか、マニュアルに何を求めているのか確かめてみたい気がします。

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