体調の急変で分かる準備の大切さ
自分のことに限らず、家族のことであっても、自分一人では対処することがむずかしかったというような体調の急変を経験したりした時は、これから長い将来のもしもの時を考えるいい機会だろうと思います。
私が見舞われた症状は、自分一人ではすぐには助けを呼ぶこともできないものでした。後になってよく考えてみれば、その病状だけで生命に関わるようなものではなかったのですが、何をどうすればその症状から逃れることができるのか分からないという状況が一人のときに起こったとすると、ちょっと途方にくれますね。
電話をかけて助けを呼ぶことができない - そんな状況にどう対応すればよいか。「日ごろの訓練」という訳にはいかないだけに、必要な確認をして心構えを持っておくことが必要ではないかと思うのです。
緊急対応してもらうための準備をどうするか - 母が住んだ町では
母の住んでいた町では、町役場が緊急呼び出しのサービスを提供してくれていました。
特殊な装置を自宅の電話回線につないでおき、その装置を枕元に置いておきます。装置には受話器があり、通話することができますが、話すことがむずかしいような状況になったときに安全スイッチにつながった細い紐を引けば、管理センターにいわゆるSOSシグナルを送ってくれるというものです。ナースコールの自宅版と言えば良いでしょうか。
深夜、救急隊が到着しても入口に鍵がかかっていて部屋に入ることがどうしてもできない場合には、必要な場所の窓のガラスを破ったり、玄関の鍵を壊すこともあり得るという項目に同意書を書いておくのです。
また、冷蔵庫に入れておくようにと注意書きされた紙製の筒に、名前と緊急連絡先(家族の名前や電話番号など)、血液型やかかりつけ医の名前などを書いて入れておきます。
そして自分の場合
結果的にこのシステムを利用することはなかったのですが、母ひとりで何かの発作に襲われたようなときにうまく利用できただろうかと考えると、むずかしさを感じざるを得ません。そのむずかしさは、今回私自身が見舞われた発作的な症状を前提に考えてみると、対応のむずかしさは現実味を持ってくるものでした。
24時間対応してくれるかかりつけ医とナースコールでつながっている - そんなつながりを持てたとしても、その事前の安心感と、もしもの時にはどんな手順を取ればよいかという認識が普段からしっかりしていて初めて、システムを有効に利用できるものだと思うのです。
- 家族は診察券、保険証をどこにしまっているか
たったそれだけのことでも、迷うことなく共通の認識を持てているといないとでは、初動がずいぶんちがうものです。健常でいればたぶん、ほとんどの人が知らないでいることではないかと感じます。もしそうだとしたら、是非一度、確認しておくことをお勧めします!
私の経験 - 良性発作性頭位めまい症
発作が起こったのは一昨日、4月5日の朝。目覚ましのアラームで目を覚まし、横になったままその目覚ましを止めようと左に体をひねり、首をわずかに仰ぎ見るように動かしながら、右手を伸ばそうとした瞬間でした。
強烈なめまい、眼振、吐き気
強烈なめまいを感じました。体を動かすのを止めて数秒。めまいが静かになったかと思って、鳴り続けている目覚ましにあらためて手を伸ばそうとしながら目を開けると、眼球が激しく左右に揺れているのを感じ(たぶん実際に揺れていたのだろうと思います)、同時に強い吐き気が襲いました。
布団の上で右、左、あるいはうつ伏せになろうとしても、なってみても、体を動かすたびに強いめまいと吐き気を感じました。あわてて体制を戻すと吐き気は小さくなるのですが、体を起こせたあともまっすぐ座っていることができず、どういう体勢を取ればめまいや吐き気を感じないで済むのかを恐るおそる探るような状態でした。
自分では電話をかけることができない
救急車の助けを求めるべきか、かかりつけ医の診察を求めるべきか迷ったあげく、まずかかりつけ医の窓口に電話で相談してみることにしました。
(と言っても、ここで電話での問い合わせをしてくれたのは家内です。家内が運転する自家用車で病院へ行きましたが、病院の入り口前から受付までの数メートルを自分で歩くのが精いっぱいだったのです)
私のかかりつけ医は内科を中心として、在宅介護や在宅の看取りまで対応しているところです。私は介護や介助の認定を持っているわけではありませんが、長い将来を考えて診てもらうようになったクリニックです。めまいの症状と何とか折り合いをつけられるようになってきたこともあり、そのかかりつけ医で診察してもらうことを選びました。
かかりつけ医は決して大きな病院ではありませんが、レントゲンやCTの設備もあるところで、医師が必要と判断する検査をその場で行ってくれました。
結果、良性発作性頭位めまい症 の診断を受け、点滴によるめまいの軽減と薬の処方を受けたのです。