大切な人が亡くなった後にすべきこと - その確認を自分に重ねてみる
自分にもしものことがあったときには - わざわざそんなことを考えるのは、送らなければならない立場に立ったときに、手続きの多さや煩雑さに戸惑い、血縁者の中で特に悲しみも深いはずの者に判断や対応が求められることがいかに多いかを経験しているからです。
実感を持ってシミュレーションをする - それは決してたやすいことではありません。少しでもストレスを感じるようであれば、あえてふれるものではないのです。
けれど私の場合は、自分にもしものことがあったときのために、伝えておきたい、あるいは残しておきたいという気持ちの方が強いのです。だから、エンディングノートを綴る一環として備忘録のつもりで確認してみようと思うのです。特に、世帯主ですし、家族に及ぶ影響はひとまわり大きなものになりますから。
「大切な人」を「自分」に置き換えた感覚で。
そのとき必要なもの - 書類
もちろん、その時自分は何をしてやることもできなくなっているのだということは分かっていますが、できることであれば守ってやりたいと思うのは、悲しみと同時に(あるいは、悲しみの中でと言うべきかも知れませんが)対応すべき手続きがはじまるからです。
遺族にとってすぐに必要になる書類が
- 死亡診断書、または
- 死体検案書
診療を受けていた病気で亡くなった場合に発行されるのが死亡診断書。それ以外で亡くなった場合に発行されるのが死体検案書です。
私の経験:
義父は夜半に体調が急変し、救急搬送された病院の救急処置室で死亡が確認されました。死亡確認の書類として発行されたのは死体検案書。しかも、警察の事情聴取が終わるまで帰宅を許されず、義母は静かに悲しみを感じるどころか、情緒不安定を心配するほどでした。「それ以外で亡くなった場合」にはそんな例も含まれています。
2つの書類は呼び名が違うだけで内容はまったく同じ。その後の火葬、埋葬の手続きを進めるには欠かせない書類です。多くの場合、死亡の確認と同時に葬儀を支援してくれる葬儀社を選んだところで、葬儀社が書類の作成や役所への提出などを代行、支援してくれることが多いでしょう。
死亡診断書を市役所に提出。戸籍が抹消される
→ 死亡届/火葬許可を申請(申請書を提出)
→ 火葬許可証が発行され → 埋葬許可書が発行される
これは正しくは
→ 火葬許可証が発行され → 遺体を荼毘に付し、収骨を終えたあと
→ 火葬許可証が返却される
MEMO:
死亡診断書は、その後の保険や年金の支払い申請をはじめとする手続きで必要になることが多いので、コピーを数部取っておくとよい書類です。
そして、意志
そして葬儀に関すること
これは生前に意思を伝え、必要なら準備もできるものですから、特に経済的なものも含めて残しておきたいと思います。
その第1が、親族や友人など誰にどう知らせれば良いかという判断をしてもらうための意志(希望)と情報です。
遺族が困ることの上位3つ、5つに入る項目だということもあり、葬儀をどう行うかということとも直結しています。当然、どのくらいの葬儀費用がかかるか、その費用をどう捻出するかということとも切り離せません。
死亡直後に必要になる書類が死亡診断書、そしてその書類といっしょに必要になるのが、誰に伝えどう葬儀を進めるかという判断なのです。
家族の判断を助けることもできるかも知れないこの想いをできる限り元気なときに話し合えるといいのですが、最初に書いたように、自分の思いを渡すか、渡せるか - そこから先は家族といっしょに考えていかなくてはいけないと思います。渡したい気持ちは、受け止めてくれる気持ちがあってはじめて渡せるものだからです。
受け取ってくれる家族がストレスを感じることがあっては、この終活も本末転倒なのです。その意味で、家族がいる以上、葬儀の生前予約なども自分一人では決められるものではないと思うのです。
家族のためを思う終活であればこそ、そのバランスを忘れてはいけない、そう思います。