不動産の相続は思ったより重い作業になるけど…
「相続、保険金、年金の支払い申請は戸籍の確認から」の記事のときに確認したように、妻に「あとを託す」という発想でできる準備をシミュレーションしてみるというのは、思っているより大変な作業だということが分かります。
今住んでいる私の自宅不動産は妻との共同名義で登記をしたもの。この自宅に住み続けることを前提にした場合、妻はどんな手続きを求められるでしょう?
単純にこの自宅に住み続けるだけであれば、登記内容の変更手続きなどいらないし、固定資産税を払うための申告をしておけば良いだろうと考えそうですが、この自宅に住み続け尚かつそのあとのこと - 子どもへの相続とかあるいは売却など - を視野に入れておこうとすれば、相続登記を行ってもらうことがベストでしょう。
その手続きは、
- 名義変更の対象となる自宅(不動産)がどれなのか
- 所有者が誰から
- 誰に変更になるのか
を証明しながら申請をすることになります。
申請に必要な書類、その第1グループは
どの不動産かを示す | 登記簿謄本 |
被相続人(私)を証明する | 戸籍謄本(除籍謄本)、住民票の除票 |
相続人(妻)を証明する | 戸籍謄本、住民票 |
この3点セット。自治体に申請して発行してもらうものです。
MEMO:
妻は私と自分を証明するための書類となる戸籍謄本を求めて、今のままであれば、私の父が戸籍を置いていた実家のある町役場に発行申請をしなくてはならないということは、戸籍はどこにあるのが良いだろうかと考えた記事で確認した通りです。
そして、申請の本体となるのが
- 相続登記申請書
さらに、
- 登記手数料と言える登記免許税
と、その免許税の算出に使う - 固定資産評価証明書
(登録免許税 = 不動産の固定資産税評価額の0.4%)
おおよそ、こんな手配と準備が必要になるでしょうか。
MEMO:
もし、自宅に住み続けるのではなく、売却するとなると、登記原因証明情報(要するに売買契約書など)といった添付書類が増えることになりますが、その詳細はまた別の機会に確認しましょう。
- 相続登記申請書への記載事項は、不動産の場所やサイズなど所定のものですから、
その内容を事前に作成しておき、 - 戸籍謄本、除籍謄本の申請先をまとめておき、自治体に連絡して、発行・郵送を依頼してもらう
- 住民票と住民票の除票を取得してもらう
- 申請書類の不備を事前チェックしてもらう相談窓口に連絡してもらい
- 法務局へ申請を提出してもらう
そんな手順になるでしょう。
不動産の相続登記というのはいつまでにやらなくてはいけないという期限付き、時限付きのものではありませんから、その意味では落ち着いて取り組めるものなのですが、私が経験した限りでは、そうした書類の申請、受け取り、確認が完全に終わるまでは時間もかかりますし、細々と手数料を払ったり、申請書を書いたり、身分証明書を提示したりと煩雑なもので、妻に自分でやってくれと頼むのは忍びないものを感じます。
ですから、申請書類の作成と戸籍の収集を支援してくれる司法書士とその事務所への連絡先、そして支払う費用を用意しておくことも忘れないようにしなくてはいけないだろうと思います。