心の健康を考えるとき、男のためのヒントってあるのでしょうか?

男には男の世界観?! - それって古いの??

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プライベートの場で自己紹介するとき、女性は「佐藤花子です」とストレートに名前だけ言うけど、男性は「○○商事で営業マンをしている、山田一郎です」と、聞かれてもいないのに会社名や部署などを付け加える人がいるという話しを聞きました。
それほど男性は、仕事にアイデンティティを求めているのかもしれません。
もっとも、男性のみならず、会社で働く自分。結婚して家族を持つ自分。僕たちは、どこかに“属することで”で少なからず安心を得ています。

泰丘良玄氏 著「人生はブレていい。 – 平成の一休さんのポジティブ・トンチのすすめ –」より

誰の話しで聞いたのか、何かの本で読んだのか、とかく男性は理由や目的を求めるもの? という話しを思い出させる一節です。しかもそれが、ちょっと切なさを感じさせたりするのですね。
なぜでしょうか?

job or private, which do you mind
(c) Can Stock Photo / rozum

それは、理由や目的をしっかり持つことができて、一生懸命になるほど達成感を味わうこともできるし、達成感が日々の充実感を支えてくれるようになれば、理由や目的の意味はますますしっかり、ブレないものになる - 充実した人生とか、幸せってそういうものじゃないかと思ってきたようなところがあるからですね。

別の言い方をすれば、生きるためには、属し、アイデンティティを持つことが欠かせない、あるいはアイデンティティを持つことがよい仕事をする条件だと言わんばかりの価値観の中で育ってきたような側面があって、知らず知らずのうちに、聞かれもしない会社の名前や所属部署の説明をしてしまう - そんなふうに聞こえるのです。
これはよくよく注意しなくてはいけないなと思うのです^^;

でも、何に注意するのか⁇
私が自分の経験から思うのは、仕事とプライベートの境い目だという気がします。仕事にアイデンティティを求めるなら、同じようにプライベートの自分にもアイデンティティがほしい - そんなバランス感覚のようなものを持っていたいと思ったりします。

でも、仕事がプライベートに重なっていることって良くないことなのでしょうか?
私が仕事に就こうとする頃に言われるようになっていたのは、「仕事を家に持ち込むのはあまり良いことじゃない」とか、「仕事上の付き合いもほどほどに」ということ。個人や個性を大切にしようよという今の世の中に漂うものの走りだったのかも知れません。

今でも? びっくりするような長時間労働や休日出勤があたりまえのように行われていた時代でしたから、そもそも仕事とプライベートの境い目なんてなかったと言えるほどだったような!^^; たとえば、社員旅行は参加してあたりまえという感覚は、”仕事 > プライベート” - 仕事の前では個人は二の次という価値観? に支えられていたのです。

少し話しが変わりますが、私の中の昭和の感覚は - もうずいぶん影がうすくなったと思うのですが - “全身全霊“という言葉が好きだったりします。好きというか、その意味がよく分かる、イメージしやすい言葉なのです。その昔? にあった”根性“なんていう言葉に通じるかも知れません。

言い訳をしない潔さのようなものを感じるのです。

ただ悪いことに? 全身全霊には、よそ見を許さない厳しさがありますから、All or Nothingの二者択一を迫る、常に背水の陣を求める息苦しさを伴います。

しかも、周りにも同じものを求めるのです。つまり、アイデンティティと言いながら、その人だけの独自性 - 個性 - を許さない固さがあるのです。
考えてみればずいぶん矛盾した感覚だったのだなと思います。

そんな昭和的な”全身全霊”は今探しても簡単には出会えなくなってきたかなと思いますが、正しくアイデンティティありきの、ちょっと偏った価値観が頭をもたげないようにしないといけないだろうなと感じるのです。

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個性を尊重したいと思いながら、まず仕事を、まず会社を中心に考えてしまう - アイデンティティを求めながら、アイデンティティを簡単には認めない - 自分の中にあるその矛盾を認めることができると、個人や個性を大切にする方法もきっと分かる、そんな気もします。

“属すること” は必要な、時は大事なことだけれど、”縛られたり”、”囚われて” はいけないのだということがはっきり分かるのではないかと思うのです。

40代後半から50代、そして60代へ。定年を意識するような年齢になって感じているのは、自分の置き場所 - プライベートとか、仕事を離れたところにいる自分。もしそうだとするなら、今のうちに、自分が属しているものの意味を見極めて仕事とプライベートの分離をしておかなくちゃと思うのです。

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