どこまで手作りの腕前を上げることができるだろうか^^
杉田豊久さんが紹介しているアイデア - 超画期的 木工テクニック集 ―電動工具に頼らずに熟練職人の技術を再現する― - を頼りにちょっと大型、変則サイズの額縁を作ろうと準備を進めていますが、その第1はのこぎり用のガイドツールでした。のこぎりを使った切断作業の直角、垂直を支援するガイドツールです。
なるほど簡単!^^ と感心しながら、その第2にステップを進めてみようと思います。その著書に曰く、
材を45°に削る「平留め削り台」
この削り台は、額縁作りなどでよく使われる、材を45°に削る「平留め加工」を行うための道具です。カンナを横に倒し、材をフェンスにあてがって削るだけで、いとも簡単に正確に材を45°の角度に削れます。

そもそも、とめ継ぎは2つの部材の接合面を45°にカットして、その45°の面を合わせるとても単純なもの。けれど、単純なだけにカットの精度が仕上がりにそのまま影響する、技術的にはとても繊細な工法です。
マイターボックスの構造 と とめ継ぎの関係
マイターボックスを使った切断はブレのない加工を手助けしてくれます。しかし、45°カットの精度をどのようにして、どの程度確保できるかという点でその構造、使い方を理解しておきましょう。
1つには理論上のお話し。つまり、45°カットの精度を確保できるかどうか、のこぎりの方に気をつけなくてはならない構造上の特徴があるということ。それは、みなさんご存知のあさりです。
のこ刃の先端はのぎりの本体 - のこ身 - に対してわずかに外に向くように、左右に振り分けられています。これがあさりですが、そのあさりがつけられているため、理論上、のこ身はマイターボックスのガイドスロットにぴったり密着することができません。つまり、のこ身は材料に対してガイドスロットと100%の精度で垂直になりません。
2つ目には実作業上のお話し。あさりが影響してのこ身が傾く!? というほどの精密な作業をすることは現実には不可能なことで、木工の加工にはある程度の誤差は避けられないもの。45°カットに限らず、ひとつの加工 - この場合はのこぎりを使った切断 - のあとには、その精度を確認し、必要ならば調整するのが普通の手順だと覚え、それに備えておくことが必要なのです。
MEMO:
のみで加工して、必要ならばやすりで調整して、金づちでくみ上げるほぞ組み。のこぎりで加工して、さしがねで確かめ、かんなで仕上げるとめ継ぎ。
そんなふうに、木工の加工はそれぞれに組み合わせてひとつのものを作り上げるものなのです。
杉田豊久さんの平留め削り台
杉田さんがその著書で勧めているのは、とめ継ぎの2本の材料の継ぎ面2面を、片方は聞き手でない方の手も使ってかんながけできるようにする「フェンス2つの削り台」です。加工精度はその方が高いと杉田さんは説明されていますから、みなさんが作ってみようとするときは「フェンス2つ」のバージョンにしてもらう方が良いように感じます。
私は削り台そのものの “修作” として、削り台の構造と使い方を確かめるという意味で、私の聞き手(右手)で使うフェンス1つのものを作り、使ってみます。
MEMO:
杉田さんのアイデアは押して削る西洋かんなを使うことを前提として説明されていますから、その点はご注意を。
構造は簡単なものですが、制作するときには注意深く作業を進めましょう。
紹介されている台のサイズは550×200mmで、形はフェンスを2つ付けるタイプのものですが、私が目指したのは450×350mmのフェンス1つのタイプ。
600×450mmの合板を買って350mmと250mmにカットしてもらい、フェンスにする材料を別に購入。
その購入にかかった費用は消費税込みで1004円です。
杉田さんが紹介している、西洋かんなを使うことを前提にした削り台を参考にしていますが、右手で日本のかんな、つまり引いて削る加工を前提としているのでフェンスの向きが逆です。
この台を制作するときの最大の注意点は、2枚重ねにする合板の厚さ。上になる方の板の厚さとかんなの刃がどうついているかという位置関係です。
制作をしてみようとされる場合には、杉田さんの説明をよく読んでくださいね。