墨線の引き方は、のこぎりでどこを切るかに通じるのです
大工道具を使った加工 - 切るか、削るかといった道具の働きはとてもシンプル。柔らかくはない木材を相手にした手ごたえや仕上がりを求める加工の工程が一番の楽しさでしょう。
たとえば、のこぎり
- 切ろうとする木材のサイズと切る方向 そして 選ぶのこぎりのサイズと刃の関係
を適切に選べるようになると木工の腕前も初級を卒業できるところまで来ていると言ってもいいでしょうか。そして、
- 仕上げの目標サイズ、切断・加工の位置に対して墨線をどう引くか
- 墨線のどこを加工するか
額縁や机、椅子など、サイズやバランスに影響する作品を作ろうとするときには、このこだわりがきっと役に立ちます。コンスタントに同じ精度で作業できるように自分なりのスタイルを確立して、初級卒業を確実にしたいものですね。
そこで確認したいのが、普段、のこぎりで木材を切るとき墨線をどう引いているか。
墨線と加工線の位置関係をしっかり把握できるようになるのと同時に、のこぎりを使った切断作業の腕前を上げるのに役立つのが墨回しです。のこ刃をあてる1面に1本だけの墨線で切断作業をしていて、なかなか切断面が直角、まっすぐにならないと悩んでいるとしたら、墨回しを覚えましょう。
MEMO:
墨回しがうまくできるかどうか、実は材料がしっかり直角、水平にできているかで精度が決まります。墨付け、加工前の材料の直角、水平の測り方も基本的な知識を持っておきましょう。
普通、木材には4面ありますが、1面に引いた墨線を4面にコピーするようにしてぐるっと引いてやるのが墨回し。電動ののこぎりが広く普及する前は現場で木材を加工しようとすれば手で引くのこぎりが頼りでしたから、のこ刃をリードしてくれる墨線が欠かせなかったことでしょう。
まず1面に墨線①を引き、
さしがねの短手を1面にかけて(1面を基準にして)墨線①の延長として墨線②を引く。
さらにさしがねの短手を2面にかけて(2面を基準にして)墨線②の延長として墨線③を引く。
さしがねを1面の向こう側に戻して墨線①と墨線③をつなぐように墨線④を引く。
つまり、墨線②と④は1面を中心に、1面を基準にして引くのです。
それぞれの写真は①~④の位置関係を分かりやすくするために材料の向きを一定にして描いていますが、実際の墨付けの作業のときには、2面、3面、4面とそれぞれが上になるように木材を回す必要があります。
本職の大工さんのように3寸角(1辺9cm)の柱材のような大物を相手にすることはないでしょうが、切断しようとする材の厚さがあるときほどこの墨回しで引く墨線がのこ刃が通る位置を確認しやすくしてくれます。
のこぎりの前に墨回しを練習! たかが墨線、されど墨線の効果を確認できるはずです。
ほぞ穴の加工でも役に立つことがありますから、頑張ってますたーしましょう^^