悩みは、あなたがあなたでいようとする心の現れ
自分のこと、勉強や仕事のころ、将来のこと - あなたは何を大切にしようとしていますか?
私たちの悩みのもとは私たちの個性の数だけ千差万別。
その悩みが深いほど、「今さらこんなことで悩むなんて」、「大した問題ではないのだろうと思うけど」と自分にダメ出しをしてしまうことがあります。
けれど、どの悩みも私たちの心から生まれるものですから、その悩みに重い・軽いはありません。その悩みに早い・遅いもないのです。
悩むことは自分を探すこと、自分のための答えを探すこと。自分になりたい、自分でいたいという心の現れです。
それは恥ずかしいことでもなければ、無駄なことでもありません。今、そのとき、その悩みを感じている自分と語り合う機会 - それが悩みとなっているのです。
自分の思いを支えることができるのはまず自分から - そんなふうに思ってきた私を支えてくれたのは誰のどんな言葉だったのか、今ではよく思い出せないのですが、私が綴りたいと思うこととてもよく似た言葉で語りかけてくれる人がいるのだなと思わせてくれるのが井上 裕之さんの『がんばり屋さんのための、心の整理術』です。
かけがえのない、大切なあなた
「さびしい」「つらい」「かなしい」「なさけない」「くやしい」
「くるしい」 -
人が、そんなふうにネガティブな感情に浸ってしまうのは、
どんなときでしょうか。
一つは、自分の存在を否定されたとき。もう一つは、自分
の存在を忘れられたとき。この二つは似ているようで、じつ
はとても違います。

そんな言葉で、自分がどこで迷子になっているかを見極めるヒントをくれる著書です。
そう、「ヒント」です。
“自分になりたい、自分でいたいという心の現れ” が悩みなのだとすれば、その心には自分になろうとする力があるのですから。答えを与えてもらうのではなくて、迷いのなくなるところまで手を引いてもらうのではなくて、自分が目指す場所へ向かう力があるのですから。
だから、もう一度やってみるための「ヒント」です。
悩みが深いときほど、自分と語り合おう
・・・これからは「もう○○歳だらか
-」と自分を否定し、諦めないでください。これまでのあ
なたの人生は「すべて正しい」のですから、あなた自身でそ
れを認めて優しくほめてあげてください。(中略)
すべては年齢ではなく、あなたの心だけの問題です。あな
たが自分を抱きしめ、今の自分はすべてが美しい、正しいと
認めてあげたとき、あなたの人生は必ず、いつまでも無限の
可能性をもって輝きながら広がっていくはずです。何かをするのに、
遅すぎるということは、
何ひとつありませんよ。
大切だと思うことから離れてしまっているかもしれない、それを思い出させてくれるたくさんの言葉が綴られています。
もしかすると、自分のそばにいる人も同じような言葉をかけてくれたことがあったということを思い出すこともあるかも知れません。
思い当ることがあるとすれば、そこをきっかけとして自分と語り合うことができますね。
悩みが自分自身の心から生まれてくるものだということを確かめることができると、自分にとって本当に大切にしなくてはならなかったものは何なのかが見えるようになります。
一つ一つ、時間のかかることを怖がらずに - そうですね、「見えなくなってしまった」「ずいぶん頑張ってきたのにまだ見えない」、そんなふうに迷いの中の迷いを口にするも大切なのです。
特に、悩みを抱え答えを探そうとするときには。
気持ちの力を抜いて、この本とふたり、自分に語りかけてみてくださいね。