自分の覚悟を確認するために 『V字回復の経営』

曰く 「2年で会社を変えられますか?」。
この一言にためらいや否定的な抵抗を感じて受け止めるとしたら、程度の差はあっても、会社を変えるという作業がいかに大規模なもので、時間がかかるものと直感していることの裏返しのように思うのですが、どうでしょう?

会社が直面している問題が深刻なほど、会社という組織とそこに根差した文化を変えることが必要なはずだが、それがそう一朝一夕にできるとは思えない - ましてや、ここに語られているケーススタディが、実話をもとにしていると言っても、2年で会社を変えなければならないという診断に至るまでには、さらに数年の時間がかかっているはずで、降ってわいたように2年での変化を起こすことはできないだろうと。

ところが、「プロローグ 不振事業をいかに甦らせるか」ではじまるこの著書は、そうした改革・改善の必要性への疑いを許さない、改革・改善を行うためのケーススタディです。何より もまず、自分の会社の今の業績に問題を感じていて、自分のすべきことを知ろうとするのであれば、この著書が大きなヒントになるのではないかと思うのです。

 

経営者の視点を知ることの意味

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自分の会社の今の業績に問題を感じていたとしても、何をなすべきかを考える、あるいは行動するのは自分の仕事ではないというのに近い、少しでも他人事としてこの内容に触れようとすれば、多分、ここに語られていることのひとつひとつに上から目線の圧力を感じて、読み通すことはできないのではないかと思います

自分や自分たちの状況をどう重ね合わせれば、著者の経験、アイデアを参考にすることができるだろうかそんな本気の姿勢で読めば、必ず役に立つ情報が得られる著書だと思います。

会社経営についてのべき論、部署や部署間の相互連携に関するべき論、あるいは所属組織内の人間関係についてのべき論を語るとき、ひとつひとつの問題意識は当を得ている部分はあっても、その内容が組織の必要にかなったものかという視点を忘れてはいないか - 会社の行くべき方向と、たとえば自社製品を使う人々の利益などを含めた総合的な視点、言い換えれば、自社の社会的な責任までを考慮した上で自分の行動を考えるべき論になっているか - その視点は間違いなく、経営者の視点だということに気づかされます。

管理職であるかどうかの違いがあるとしても、私も含め、一介の会社員に過ぎないと感じながらも会社の今に問題を感じているとすれば、組織として力を集約することの必要が実感できるのではないかと思います。

より高い視点で仕事に取り組むために
© Can Stock Photo Inc. / devon

躊躇することを良しとしないのであれば

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著者が展開するストーリーは明快です。だからこそ、懐疑的に触れようとすると強い抵抗を感じるでしょう。自分に役立つ情報を読み取り、役立てようという気持ちで読んでみたいと思うのです。

  1. 再建のあるべき形はどういうものか を確認し
  2. 組織の中で何が起きているか を見定めたら
  3. 改革の糸口となるコンセプトを探し
  4. 組織全体を貫くストーリーを構築する
  5. そうした 改革をリードするのに必要なのは

そして、組織全体を貫くストーリーの必要性を語る中で、改革の総指揮者と事業改革のシナリオ作りを目的とするタスクフォースのチームの間で、どう意識を統一するかを語るくだりがあります。私たちは、日常的に頭の中にあるべき論、その持論にさえ、正しいかどうかのメスを入れるストイックさが持てるでしょうか。

 先輩や上司が何かを成し遂げようと厚くなれば、部下を糾合し、時にはきつい言葉も出るはずだ。
しかし沈滞企業の内部では、そんなぶつかり合いはほとんど起きなくなっている。怒ったり厳しく叱ったりすることは、大人げない行為だと見られていることが多い。
そのくせ、上の者は口先だけで「切磋琢磨」などと言う。
米国企業は、役に立たない社員をやめさせて、有能な者を外から雇う。それをしない日本企業は、代わりに企業内部で社員を厳しく鍛える手法を持たなければならない。
ところが日本の沈滞企業では、上に立つ者が自信を失い、下に遠慮している。それが組織の自閉症的なひ弱さを生んでいるのである。

要諦22 改革先導者に加わった者は企業変革を前にして自分自身の壁に行き当たり、自己変革を迫られて悩むことが多い。二つの変革がワンセットで訪れるので苦しいが、修羅場の中で人材が「一皮むける」のはこのためである。覚悟を決め、それを人生の貴重なチャンスととらえ、ひたすら足を前に出す。

改革チームが熱き心を持てるかどうかは、経営改革が成功するかどうかの第一関門である。自ら燃えていないチームが社内を燃えさせることなどありえない。

 

会社の今に問題を感じ、その問題に自ら取り組む気概を失わないためにも、この内容をよく理解したいと思うのです

 

 

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