よりよいコミュニケーション、健康的な人間関係のために
血液型による相性診断が性格のだいたいの雰囲気をつかむためのものだとしたら、「16の性格―性格タイプを知って獲得する充実した人生と人間関係」は、ぐっと実用的な性格判断の詳細版と言えそうです。
もしも、自分で自分をうまくつかまえられないと悩む人がいたら、そして、そんな人をうまく支えてやりたい、理解したいと感じるとしたら、ずいぶん合理的で分かりやすいヒントにもなりますね。
その内容は、まず自分自身を知るところから始めようと呼びかけるところからはじまります。
「他人を知るには、まず己から」という古いことわざは、性格タイプを習得するうえで実に的を射た言葉である。そこで、まず性格タイプの考え方をよく理解するために、自分の性格タイプを見つけることから始めよう。ぜひ、冒険者になったような気分で、本書を読み進んでもらいたい。性格タイプについての基本的な考え方が分かれば、友人たちとの会話もおもしろくなるはずだ。
そして、著者が提唱する<スピードリーディング法>の解説が始まります。
- 人の性格には4つの基本的な特質があり
- その4つの基本特性の組み合わせで16の “性格タイプ” に分けられる
という説明です。

性格を形作る4つの特質、そこから生まれる16の性格タイプ
自分を知り、相手を知るためのツールとして
相手がどの性格タイプの人物かを素早く見極め、よりよいコミュニケーション、健康的な人間関係をというのが著者の呼びかけです。
4つの基本となる特質はAかBかの二者択一で確認するもので、対になる特質が4つということは全部で8つの型があります。たとえば、「外向型か、内向型か」。
4つの対になっている「型」が8つからできあがる性格タイプは16というわけです。
その説明を読んでいると、人の性格は複雑だものだとあらためて感じますが、確かに! とうなずける解説でとても分かりやすく、納得しやすいものばかりです。
お互いが使う言葉の数にも差があるのが分かる。この差が生じる理由はしごく簡単。外向型は考えをそのまま口にするからだ。それどころか、話しながら考えることさえある。一方、内向型は、頭の中でじっくり考えてから意見を口にする。完全に焼き上がってから、さあどうぞとオーブンの中から出すケーキのように、内向型は自分の考えを頭の中でじっくりと「焼き上げる」。一方、外向型は、頭の中でちょこっと考えを「焼き」、人に話してしまう - それで、ときどき「生焼け」の考えがばれてしまうのだ!
少なくとも、外向型・内向型など、「型」同士を比べてどちらが良い悪い、上とか下とかいうことではないのでその点は間違えないようにしなくてはいけません。
まずはあるがままの自分を自分で理解することからはじめようというのがこの著書の特徴です。
その確認は
外向型か、内向型か
感覚型か、直感型か(森を見るか、木を見るか)
思考型か、情緒型か(論理か、感情か)
決断型か、柔軟型か(計画的か、行き当たりばったりか)
の「四種類の特質」の確認から始まります。4つの特質を学びながら、自分自身の性格を確認してみるのです。
トレーニングを目的していますから、4つの特質を確認してそれで終わり、ではありません。性格タイプを決めてみて、さらにその決定が正しいかどうかを確認するのです。
そうやって<スピードリーディング法>を体得していくのです。
読み進めていくうちに分かってきますが、たとえば「外向型」「内向型」といっても、私たちが知っている言葉の意味とちょっと違うところがありますから、先入観を持たずに素直に学んでくださいね。
ちなみに、トレーニングを進めてみて確認した私の性格タイプは、「内向・直感・情緒・柔軟」のタイプ16だそうです^^。
「16の性格タイプ表」に曰く
心の平和を求める人 [内向・直感・情緒・柔軟]型
・終生、人生の意義と心の平和を探求し続けている。
・「真実」を追い求め、自分が正しいと思えないことはしない。
・頭の中の観念的な考えにとらわれており、現実にうとく、時間にルーズ
だとか^^;
この著書を読むと、人の性格というのが「こんなに複雑なものなら、悩んであたりまえ」と思うかも知れません。
ですが、もしそうだとしても、この著書がその複雑さに負けずにそれぞれの性格をうまく把握できるようにガイドになってくれます。人の性格をどう捉えるか、自分なりの判別基準が持てるようになります。
もし、そこまで突き詰めなくてもと思うとしても、その複雑さを知ることで 「悩んであたりまえ」くらいの割り切りが持てれば、逆に人付き合いにも集中できるようになります。
さて、このトレーニング、やってみませんか?