読んで、話して、書いて翻訳
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アクセシビリティと言えば、今はもう、Appleが提供してくれるiOS, OS Xに装備されている支援機能 - アクセシビリティ - のことだというひとつのイメージができあがっているように思います。Google翻訳というアプリを使ってみて感じるのは、このアプリはGoogleが提唱するもうひとつ、違ったコンセプトのaccessitilibyなのだなということ。
Google翻訳はもうずいぶんたくさんの方が使っているだろうと思いますが、これからiPhone、スマートフォンに翻訳アプリを探される方に、このアプリの納得の機能性をご紹介したいと思います。
翻訳であれば求める機能としてあたりまえという意見もあるかも知れませんが、Google翻訳は、言葉をどう受け取り、どう翻訳して、どう伝えるかという、言葉を伝え合うために必要な機能をまとめた総合インターフェース アプリだと言えます。
翻訳対象となる言葉を受け取る3つのインターフェース - 読む、話す、書く - を持ち、翻訳した結果を伝えるための出力機能を2つ(ただしそのバリエーションは複数) - 聞かせる、読ませる - を備えています。
そして、そうした機能の中でも、音声または手書きで入力した文字の認識の精度とスピード、そして翻訳結果を出力してくれるまでの時間の短さが一番の特徴です。
Google翻訳の機能
入力 | 出力 | |
文字を翻訳する (印刷物からの翻訳) |
カメラを使った OCR機能 |
|
話し言葉を翻訳する (=逐次通訳) |
マイクを使った 音声認識 |
|
書かいた言葉を翻訳する | キーボードからの入力 | |
手書き文字の認識 |
文字の入力/出力というよりは言葉を受け止め/伝えるという感覚
Google翻訳を使った方は、言葉をやり取りするタイミングにコンセプトを絞って、対話をサポートしてくれるアプリだと直感するのではないかと思います。
文字入力が通常のタッチ入力(フリック入力)だけでなく手書き入力にも対応 していたり、マイクから入力した言葉を即座に翻訳し、読み上げてくれる機能を経験すると、言葉が通じない者同志がこのアプリを真ん中にして、 筆談したり、それぞれの言葉で話す様子がイメージできます。
音声入力
たとえば「かき」 - 柿、牡蠣、そして 夏季に火器は地方によってはイントネーションが異なることがありますが、Google翻訳に話しかけてみるとコンテキスト(言葉の前後関係)を考慮して翻訳していることが分かります。
- 「あきのくだものでおいしいのはかき」と話しかけた時の「かき」は「柿」
- 「かきのからはかたい」 と話しかけた時の「かき」は「牡蠣」
- 「かきのかわをむいてください」と話しかけた時の「かき」は「柿」
として翻訳してくれます。
関東では「柿」は後ろに、「牡蠣」は前にアクセントがありますが、上の例文の「かき」のイントネーション(アクセント)を逆に発音してみても、翻訳結果は同じです。
逆に言えば、「かき」一言では、シチュエーションにあった適訳が得られない可能性があります。そんなときはアプリの認識機能に合わせて
- くだもののかき とか
- かいのかき
というように、コンテキストになる情報を少し付け加えるようにしてみてください。
手書き入力 と カメラを使った読み込み
OCR という機能が専用ソフトとして売られていますから、PC環境でスキャナーなどと組み合わせて文字の認識やテキストデータの作成を経験されている方であれば、Google翻訳のカメラを使った、言わばOCR機能がどれほど直観的で高速かがよく分かるだろうと思います。また、縦書き、横書き や、文字の種類(明朝系かゴシック系かなど)によってその精度にやや違いがあることも、十分納得がいくだろうと思います。
iPhoneのディスプレイがテキストを表示できるエリアの広さや、Google翻訳に用意されている、認識したテキストの確認・修正に使うエリアの広さを考えると、私たちの日常会話程度の長さの文章や、レストランのメニュー、旅行パンフレットの説明文などを翻訳対象としてデザインされているのではないかと感じます。
手書き入力の認識精度も論より証拠。どれくらい草書に近く、崩した書き方の文字を正確に認識してくれるか、試してみていただきたいと思います。
ひらがなで どうぶつえん と書けば もしかして 動物園 と確認を促す表示を表示しながら Zoo という訳語を表示してくれます。つまり、変換候補もiPhone標準の通常の文字入力とは少し違った形で示してくれるのです。
音声入力の場合の翻訳と少し違うのは
- 「あきのくだものはかき」と書いたときに、もしかして 秋の果物は という表示がありましたが、
- 「かき」を柿とも、牡蠣とも変換してくれることなく、「かき」と表示したまま「牡蠣」として翻訳してくれたこと
ひらがなで「かき」ではなく、「牡蠣」と書けば文字の認識も、翻訳も正確でした。
手書き入力はタッチ入力(フリック入力)に代わるもので、期待通りに認識してもらえなかった部分は通常の入力と同じようにBack spaceで削除して書き直すことができます。
文字の認識精度の高さは一見の価値あり?
手書き入力にしても、カメラを使って読み取らせる場合も、その文字認識の精度の高さとスピードは、PC環境で使っているOCRソフトの機能向上の刺激になるのではないか - そう感じるほどです。その精度は、その認識結果を受けて作動する、翻訳の結果が出るまでの時間の短さによって余計に印象的なのかも知れません。
Google翻訳 – Google, Inc.、役に立ってくれる場面が多いだろうと思うアプリです。
操作はいたってシンプルなGoogle翻訳
カメラを使って読み取る ▽ |
マイクへ話しかける ▽ |
手書きで入力する ▽ |
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入力完了と同時に翻訳も完了>> | ![]() |