私たちは「仕事」が分かっているでしょうか?

会社に雇われ、勤める者として、私たちはどれくらい仕事というものを理解しているでしょう?

このところ、会社組織の改編という流れの中にいる私ですが、会社という組織の中で働いていて、

  • 自分の会社がどんな活動を通して社会に貢献しようとしているのか、利益を上げようとしているのか
  • そもそも利益を上げるということがどういう意味なのか
  • その会社の中で、自分という社員はどんな役割りを果たせばいいのか

そうした理解がしっかりできているだろうか - 自分を含めた社員の立ち位置とか、振る舞いの意味を見つめ直すことがこれほど多いのかと思う毎日を過ごしています。

 

私は、品質ISOと呼ばれる ISO9001 を学んだとき「力量および認識」という言葉と定義を含む規格に出会ったことがあります。

思い切って言うならば、仕事に対応する知識+技術をひとつにまとめたものが力量。仕事における人間関係、社員や仲間の相互の知識や技術力、会社と顧客の関係、費用と効果の関係などなど、仕事を取り巻く条件や環境を意識できているか、その優先度やバランスの取り方が理解できているか - いわば判断力のもとになるものが認識です。

MEMO:
以前は “6.2.2 力量、教育・ 訓練及び認識” として規定されていたものが、2015年版になって “7.2 力量”、そして ” 7.3認識” と細分化されています。

たとえて言えば、人・金・物を正しく理解して操作できるか - 私たちの仕事はその知識+技術理解力+判断力を駆使して進めるものだというのです。 そのそれぞれの力を製品を受け取るお客様のために、しっかり確保しようというのがISO9001の規格の目的ですが…

そういう仕事というものに対する意識とか理解でさえ、社員ひとりひとりの間で温度差があるのが普通なのだろうと思うのです。うっかりすると、その温度差こそそれぞれの個性の現れだ? とISO9001の規格から考えると、ちょっと方向がずれて… ^^; と言わざるを得ないような話しになることもあります。

理解し、共有することが仕事に対する満足度を決める?

仕事というものに対する意識や仕事への取り組み方を見直すためにヒントがたくさん並んでいると思っている著書にこんな一節があります。

管理職の仕事は
部下のコンサルティングである。

管理職は、部下に命令する仕事ではありません。監視する仕事でもありません。
管理職というのは、部下のコンサルティング・ビジネスです。いってみれば、サービス業です。

(中略)

部下をお客さんだと思って媚びろといっているわけではありません。コンサルタントですから、立場は対等です。弁護士や税理士が、顧客に対して媚びていますか? かといって、ふんぞり返っているわけでもありません。立場は対等なのです。

出典:中谷彰宏氏著・「こんな上司と働きたい (PHP文庫)

もしそうだとしても、私たちは “管理職” というものに対して、「いわばサービス業」であって「管理職と部下の立場は対等なのだ」という意識を持てているとは到底思えない! そう思うのですが、どうでしょう?
なぜそんな感覚があるのでしょうか?

管理職としての責任があるのだからやってあたりまえ。職制手当をもらっているのだからやってあたりまえ… 要するに、管理職に対する理解は完全に間違っていることになるのですが、その意識が私たちにはない!?

管理職に対する理解が間違っていることが分かっていないのですから、管理職の反対側にある部下の仕事に対する理解も間違っているはずなのです。けれどそれさえ分かっていない、その意識もない?!

 

私が感じてきた、あるいは今でもときどき感じることがある、「管理職は管理するのが仕事、部下は管理されるのが仕事」!!? と言わんばかりの残念な感覚があるとしたら、やはり私たちはプロのサラリーマンにならなくてはいけないなと思うのです。アマチュアではなく、プロのサラリーマンです。

あえてISO9001を意訳してみると…

ISO9001は顧客満足を確かなものにするために、あなた(会社と社員)は何を約束してどう行動しますか? と問いかける規格です。

その一部として規定されている「力量および認識」は、顧客満足を確かなものにできる知識+技術理解力+判断力をあなた(会社と社員)はちゃんと持っていますね?! と確認を求めているのです。

言い換えれば、顧客満足を満たす知識+技術理解力+判断力を持って、顧客満足を確かなものにするのが私(会社と社員)の責任ですと宣言するのがISO9001という規格なのです。

 

規格は万能ではありません。あくまでひとつのツールでしかありません。規格は部長や管理職の責任とか権限を決めてくれるものではありませんから。
けれど、たとえばISO9001のようなツールを通してでも、真摯に向き合えば、仕事とは何か・自分は何をするべきかが見えてくるのです。

スポンサードリンク

私はISO9001の信奉者でもありません。
けれど、同じ認識、同じ理解を持って、約束された手順をたどる… 理解し共有することが仕事に向かう集中力を高め、仕事から得られる満足度を高めてくれる、そんな効果をもたらしてくれるという実感のようなものがあります。

そして、「やってくれてあたりまえ」というようなちょっと残念な感覚を正しい方向へ導いてくれる力が必要だとしたら、
知識+技術理解力+判断力をもった上司 = 管理職 のもとで働きたいと思います。

教えられたことを次に教える立場になるのだ! その認識さえ持てる部下、持たしてくれる上司という関係を目指すためにも。