情報はこんなふうに高速化してきた

自分が関わっている仕事、そこで求められている技術や知識を確認してみようと、少し時代をさかのぼってみました。そこで分かったのは、「情報の高速化」の実際でした。

Windows95ほどはるか昔?! ^^; にさかのぼってその昔、自動車の車載マニュアル(取扱説明書)を作っていた時の手順を振り返ってみると…

  1. 原稿(内容とレイアウトを示したもの)を原稿用紙にまとめる
  2. テキスト:タイプライターで印字、あるいは写植で出力
  3. 校正:打ったり出力した文字に間違いがないか、文字単位に原稿と付き合わせて確認する
  4. 罫線:定規やカラス口、ロットリングを使って引く
  5. 画像:ブラシと呼ばれる写真画像は解像度が高く品質感が高い分、出力機を選び高額になる
  6. 線画は安価だが習熟した技量を必要とした
  7. 描いた図はスキャンしてデジタル化。縮尺を決めてレイアウトする
  8. 版下作成:出来上がったそれぞれの材料を原稿に合わせて台紙にレイアウトする

実際には英語版として出来上がっていたページをドイツ語版に作り変える仕事をしていたわけですから、翻訳の指示原稿を作ったり、ドイツ語のテキストを指定したりする

  • 英独翻訳

の工程にも関わっていたのですが..。
概要だけをざっとリストにしても、リストの数だけ専門職が携わっていたわけで、1ページを構成するのにここに挙げただけでも8人や9人の人員が働いていたことが分かります。この8人、9人分の作業を今は何人でやっているか、それを考えると高速化の意味が分かります。

speed of information

たとえば、原稿作成者がパソコンをツールにして、自分でテキストを起こすとすると… タイピストや写植出力の担当者、そしてその主力結果を確認する文字校正のステップがいらなくなる -ステップがなくなるということは当然のことながら作業工程が短くなることを意味しています。この工程の短縮が情報の高速化の正体なのです。

そしてそこに、今の私たちの仕事の意味があります。

8人9人で創り上げてきたページを本当に1人2人で完成させることができているのかということです。
実はここに、私たち自身が気づかずにいる品質の変質があります。

タイプや写植で実現していた文字の形、線画として手で引いて描いていた画像 - そうしたアナログ時代の質感を私たちはデジタルのものに置き換えてきたのです。

どちらがいい・悪いという話しではなく、文字の形が持つニュアンスとかイメージといった情緒に訴える質感、その品質を、効率化というまったく別のものに置き換えてきたのです。

言い換えると、文字を使って伝えようとするもの、その文字を読んでもらう環境 - 紙に印刷するか、ブラウザーでディスプレイ上に表示するかなど - に合わせて、伝わるものが違うということを駆使するのが今の私たちの仕事なのです。

 

文字の形と情報の違い

気がついているでしょうか?
普段、インターネットで読む文字は明朝体とゴシック体のどちらが多いか。ふたつの「青い」という言葉は文字の形といっしょになって伝えるものが違っていたのです。ところがその伝えるものを効率というもの - つまり、いかにスピーディに伝えるかと別のもの - に置き換えているのです。

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文字の形が違うことでどんなことが伝わるか・伝わらないか - それはとても曖昧で説明をすることがむずかしいものです。言い換えれば、人によって受け止めるものが違う - さらに言えば、人を誤解させるという怖れを含んでいますから、伝えるという目的を中心にして考えてみるととても非効率なものということになるのです。

インターネットの世界には文字の形で伝えるものがない、私はそう感じているのですが、その曖昧さを許さない・必要としない発達の仕方をしてきたのがインターネットの文字情報です。
もしインターネット上で文字の形を変えようとするとしたら、それは文字としてではなく、画像的なイメージとして伝えようとしているものがあるということになるだろうと思うのです。

to be continued …