ほんのささやかな意識から

心配もほどほどに - 確かに、心配してもしきれないということがあります。その心配事にとりつかれてしまっては困ります。
何より、今この瞬間の私たちの暮らしを守ることが最初だろうと思いますから。

けれど、普段、知らないで済ませられることの中には、知っておく・学んでおくといないとでは、そのときが大きく違ってしまうということがあるのも事実です。

だから、健康診断とか入院とか、何か自分の身にきっかけがあったときに、その先を少し考えたり、学んだりする時間に使ってほしいと思うのです。

 

大切なのは相手の思いに寄り添うこと

体力面、精神面、そして金銭面で、大きな負担を強いられる親の看取り。

大切な親だからこそ、その場しのぎにしたくはないし、

親の希望を可能な限り叶えてあげたい。

でも、遠く離れていたり、仕事が忙しかったり、

経済状況がきびしかったりと、思うようにはいかないものです。

そしてそれが、親に対する罪悪感になってしまうことも…

(中略)

親と自分たちが本当に納得できる選択をするために、

まずは知ることが重要です。

出典:大人のおしゃれ手帖特別編集 親の看取り (e-MOOK)

親に対する罪悪感」- それはきっと、優しさゆえのもの。
どれほど時間をかけて、どれほど頭で理解できていたとしても、その場、その瞬間になればきっと、これでいいのか、ほかに道はないのか… そんなふうに思いは迷走しそうになるものです。

看取りを意識するような時間の中にいたとき、私が感じていたのは、”後戻りのできない、止めることのできない二度とない今” でした。その経験をして感じるのは、親に対する罪悪感というのは、受け止めきれないものを受け止めなくてはいけないと、戸惑い、あるいは涙を流している心が感じている苦さのようなものではないかということ。

今であれば、自分にできる限りのことをした、そう思えるときがきっとくる - だから、今の自分をそれ以上責めなくていい、そう言ってやれるように思います。
後悔と誇りは表裏一体なんだ… そう教えてやりたいと思うのです。

 

まず知ること」- そう思って学びはじめても、その時になって「あっ!」と思うような、思いのすき間のようなものにぶつかることはあるものです。
そのくらい、時間というのは容赦のないもの。

そして、時間の限りを尽くして情報を集め、人に合い、資料を読んで学んでも、後になって振り返ってみると、自分のいた世界の小ささに気づいたり、知らなかったことがまだあった… そんなことに気づくことだってあるのです。
それくらい、時間というのは限りのあるもの。

やってやりたいことと時間はいつでも一対。だから、できることなら、健康で判断力も行動力も、社会的な立場もしっかりしているときに「まず知ること」をはじめたいのです。
そして時間を味方にするためにも、自分にはできないことを知っておくといいのかも知れません。

たとえば、介護離職をして親のそばにいることができるか - たとえば、親を家族に託して自分は1人、仕事を続けることができるだろうか… それがどれくらいむずかしいことか、地理的、経済的な条件をシミュレーションできますか?

少し角度を変えて言えば、まず知るべきは、自分がいる場所、自分ができること・助けてもらえることと考えることができるようになればと思うのです。
自分だけではできないこと。それは助けてもらえることでもある、そう考えることができるようになると、親のためにできることの幅が広がってくれることがあります。

 

親と自分たちが本当に納得できる選択」 - そのために何より大切なのは、どうしたいか、何を大切に思っているのかという互いの思いを伝え合える関係でいること。別の言い方をすれば、自分の思いを伝え、相手の思いを理解しようとする優しさ、必要なら忍耐力を忘れないでいることです。

ただこれこそ「言うは易く行うは難し」。
いざ話してみよう・話してみたいと思っても、大事なことと思うほど固い雰囲気になり、互いに構えてしまうものだから、なかなかうまく思いを交換できないということになることがありますね。

だから、私が勧めるのは、思いを伝えあえるお互いを目指すのであれば、相手の思いを一生懸命聞くことからはじめようということ。
聞くときには、自分の思いを差しはさむということをせず、ひたすら耳を傾けるのです。「どうして?」、「どうなるのかな?」と質問はしても、自分の思いをはさまない。

これって実は、人間関係の基本なんですね。
どうも思いが伝わらないとか、相手言っていることがよく分からないと思うことがあるとしたら、実は、よく聞いていないことの裏返しじゃないのかな? と考えてみたいのです。

相手がどれくらい納得しているか、自分は相手のその気持ちをちゃんと分かっているか - それによって自分の納得度が違ってくる、そう思いませんか?

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こんなにたくさんのことができるように - ということではありません。
時間の流れの中でできることはひとつ。ひとつひとつ、自分に素直にできることを選んでいくのが看取りや看取りに向かう時間なのですから。

そのひとつひとつを選べる、その時間の中にいることを意識しておきたいと思うのです。

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