終活 - 超高齢化と超単身化はどうつながっているか

100年ライフを意識しはじめた私たちのまわりで起きていること

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100年ライフを巡って私たちにはどんな心構えが必要だろう?  あるいは、私たちにはどんな可能性が残されているだろうかという議論があったり、人生100年という時代を見据えたと言われる保険が発売されたり、いろいろなところで長寿化が語られるようになっていますが、今朝のNHKの朝のニュースの時間帯に取り上げられていたのは「超単身化」という問題。

高齢化、長寿化、単身化… いったいいくつの変化が起こっているのでしょう?
どこか、私たち自身、あるいは限りなく私たちに関係があるところで起こっているのが信じられないほどいろいろなことが起こっているのですね。

家庭や男女の役割が変わり、結婚観・家族観が変わる

たとえば、100年ライフを語る、リンダ・グラットン&アンドリュー・スコット 両氏が綴った「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」、その “未来の人間関係” という章、「家庭」という見出しの中には、さらにこの先の夫婦関係のあり方や子どもを産み育てることの意味が変わっていくだろうという話しが語られています。

ジェーンの世代は、以上のような社会的・経済的潮流に加えて、長寿化の進行とマルチステージの生き方の一般化がもたらす影響にも適応していく。さまざまな選択肢に対する考え方もその影響を受ける。前述のように、長い人生を生きるようになれば、選択肢を残しておくことの重要性が大きくなるので、とくに女性が結婚の時期を遅らせはじめていることは意外でない。

(中略)

そして、二人で助け合いながら 、本当に大切なことに注意を払い、時間とエネルギ ーの割り振りを決め、健康な生活を送り、仕事、旅行、家計、地域コミュニティへの関わり方について慎重に選択をおこなえる。ときには、厳しい選択もする。このような関係を機能させるためには、長期にわたって相手と深く関わろうとする意思と、資源の分配の仕方を交渉して決めるためのスキルと能力がひときわ必要になる。

このことが良いか悪いかということではなく、現実にそうなっている・そうなっていくという事実であり、分析の結果が語られているはずですが、そのLIFE SHIFTの終わりに近いところで語られているのは

■ 多世代が一緒に暮らす時代へ

という見出しではじまる複数世代の関係のこと。
NHKで取り上げられていた超単身化は今の症状で、LIFE SHIFTが語っているのがその先の未来だと思って読めばいいのでしょうか?

そして、同居にもどるのか?

このあたりから、「仮定」というニュアンスが強くなるように感じるのですが…

長寿化が進めば、異世代の関わり方が大きく変わることは明らかだ。これまでの3ステージの人生では、同世代の人たちが一斉行進するように人生のステージを進むため、年齢層ごとに人々が隔離されて生きる欧米型の社会が出現した。子どもは学校に通い、高齢者は引退して余暇を楽しむ。そして、それ以外の世代は、職場で互いに接し合うという形態だ。しかし、マルチステージの人生では、エイジ(=年齢)とステージが一致しなくなり、大人が若々しく生きるようになる結果、世代間の関係に大きな変化が生まれる。

(中略)

家族が多世代で構成されるようになれば、異なる世代が理解を深め合う素晴らしい機会が生まれる。

「素晴らしい機会が生まれる」というのは断定ではなく、「構成されるようになれば、機会が生まれるだろう(あるいは、生まれることになるかも知れない)」という仮説なのです。

「家族が多世代で構成されるようになれば」も同じ。
断定ではなく、「構成されるようになったとすれば」というのは、それまでの状況(証拠)を積み上げてみると・たどってみると「構成されるようになる可能性が高いのではないか」という仮説なのです。

私たちが学ばなければならないこと

そうなのです。何とかの預言書ではありません。より可能性が高いと思われる推測を描いてみるというのが私たちにできる最大限なのだろうと思うのです。

LIFT SHIFTの論説は、長寿社会という切り口で私たちの生活を語っているけれど、高齢化 - しかも、自分で自分の生き方を選ぶことができない状態が来るかもしれないというほどロングレンジの未来を語ってはいないのです。

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LIFE SHIFTが描いて見せてくれているのは、今20代になろうとしている若い人たちは高い確率でこんな人生を歩むことになるのではないだろうかという予想図である - 今60代70代を生きている人たちのSHIFTはほとんど語られていないのと同じだと感じるのです。

ただそれでも、今日を伝えようとするNHKの朝のニュース番組が伝えていたもの - 超単身化 - と正反対の多世代の同居をLIFE SHIFTが語っている。
そのための処方箋は示されていないけれど、「もし~なら」という仮説で語っている。

そのことの意味をよく考え、確かめなくてはいけない! と感じるのです。

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