みんな悩んで大きくなる? - 記憶に残る両親との対話

私たちは自分たちが教わってきたものを、後輩や子どもたちに伝えることができているだろうか。それともそんなことは考えなくてもいいのだろうか - そんな思いにかられることが増えているような気がする今日この頃なのですが…

自分の人生は自分で作っていくもの。
自分にとって正しいと思ったことは、他人にどう言われようと揺るがない勇気で貫き通すだけの強さを持て…

小学校から中学、高校と、機会は減ってはいたものの、私は両親からそんな意味合いの言葉をかけられることが多かったように思います。

よほど優柔不断、周囲の視線を気にする性格だったのだろうかと自分でもいぶかしく思いながら思い起こすのですが、「自分はこう思う」「自分はこうするんだ!」と自ら表明するような正確でなかったのは確かだったような気がします。

「自分はこう思う」「自分はこうしたい」 - そんなふうに自分を表現することができない、子どもを相手にするのは両親にとっては厄介なむずかしいことだったのではないかと思います。

ただ私の場合は、人の言葉、人の意見で自分の考えが二転三転してしまうというのではなく、よほど否定的な突っ込みを入れられても何を言われているのかすぐには理解できない - かなり鈍い性格だったのです。それがはた目からは、自分の考えをはっきり決められない優柔不断と映っていたのです。

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(c) Can Stock Photo / ankimo

不思議なものですね。出る釘は打つ! と言わんばかりに人の意見、考え方にはダメ出ししたり注文をつけるくせに、信念ある生き方 - つまり、自分の考えを持つことが人としてあたり前だ! と注文をつけてくるのですから。

私が自分の育った時代をダメ出しありきの時代だったという理由もそこにあるのですが、今の大学を目指すような若い人たちも、そんなプレッシャーを感じながら暮らしているのでしょうか?

逆に言えば、私は自分の子どもに、自分が感じていたような矛盾、理不尽なプレッシャーを与えてきたのだろうかという反省にもなるでしょう。

 

ダメ出しありきの時代の悲しさは、そのあとも続くのですね。

自分にとって正しいと思ったことは、他人にどう言われようと揺るがない勇気で貫き通すだけの強さを持て…

そう語っていた両親はいつしか、

人の言葉を素直に聞くことができない人間が成功することはできない
自分が正しいと言うまえに、まず人の意見に耳を傾ける素直さを持て

と言うようになり、両親との別れが近づいたころには

人の考えというものは、未来永劫変わらないということなどないのだ
あまり頑なな態度は理解されないばかりか、大切なものを失うことにもなる

と形を変えていたのです。

両親のもとに生まれ数十年を過ごして、その時々、両親が教えようとしていたことを縦につないで読もうとするところに無理があるだろう、という言い方もできるでしょう。

ただ、私のこの感覚が親の背中を見て育つということなのだと、今は思っているのです。

 

若い人たちも、少し注意して年配者の言動を見ていれば、私が両親に感じたような疑問や、悲しさを感じることがあるのではないかと思うのです。
特に私たち年配者はそのことにもう少し自覚を持てないものだろうか、と思うのです。

聖人君主でないのだから、そんな理想的な生き方などできるはずもない - たぶん、多くがそんな意見になるだろうと思うのですが、それこそ私が(あるいは私たちが)経験してきたダメ出しありきの発想から生まれる意見だと感じるのです。

自分たちに向けられる視線、意見をよけることはいつでもできる。それなのにまず、よけてしまう。自分たちに向ける視線、意見を受けとめることなしにです。

 

かつて、「自分を貫き通せ」と教えてくれ、「人の言葉に耳を傾ける素直さがない」と評価してくれた両親が、実は私と1対1で自分を語り合う関係にはなかったというのととてもよく似ているのです。もちろん、「男女七歳にして席を同じゅうせず」や「三尺下がって師の影を踏まず」の美徳と大切に育ってきた人たちですから、親子が1対1で自分を語り合うなどということがあるはずもなかったのかも知れません。

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だからなのかも知れませんが、私は、その轍を踏みたくないと感じているのです。

 

個人を、個性を大切にする - そんな考え方は何も今の時代だけのものではないし、私たちに関係がないところから生まれてきたわけでもありません。むしろ、私たちこそ、先陣を切って良くも悪くも盾突いてきたはずですから。

子育てというのはどうも終わりがないようで、思うことだけはなかなか尽きないものです。

 

 

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