「所有者不明土地」 という言葉を聞いてすぐに疑問に感じるのは、「その所有者って誰のこと?」 「何を持っている人が所有者なの?」 ということ。
なぜって、登記をしていなくても固定資産税は払っていたのですから。所有者って、登記をして権利書を持っている人のことですよね? 固定資産税って、所有者が払うんじゃないんですっけ?

覚えていたはずのことをもう一度確認しないと、この「所有者不明土地」の話しがうまく理解できないような気がしません?^^;

 

不動産の相続と所有者の関係は??

わが家をふり返って確認してみる

“相続が発生していても不動産の名義変更(登記)を強制する法律はない”? … という話しは相続の手続きを思い出すと何となく理解もでき、納得もできるような気がします。

たとえば私の実家がどうだったかを思い出してみると…
実家不動産は、100坪の土地と実家の母屋。それを

  • 建物(建坪約35坪)+土地50坪を父の名義、
  • 土地50坪を母の名義

つまり共同名義として所有していました。

あえて確認してみると…
両親それぞれに、

  • 自分の名前が記載された権利書を持っており、
  • それぞれ自分宛ての固定資産税徴収票を受け取り、固定資産税を払っていた

ということ。
言い換えると、名義人=所有者だったのです。

その後、父が先に他界。

この段階で父名義の実家母屋+土地の名義を母は書き換えずにいました*。
その父名義の不動産は “所有者なし” ? ただし、法定相続人として血縁関係を証明できる家族が生存しているという状態だったのです。

父が亡くなった時点で法定相続人は

  • 妹2人

の合計4人でした。

本来であれば? 遺産分割協議書のような相続のための手続きを取って、相続以降、登記につながっていく責任と権利の所在を明確にするべきなのかも知れません(今度、再確認してみましょう)。

ただいずれにしても、その登記の手続きは取っていなかった。
ですから、この土地・建物の所有者はやはり “死亡(していて不在)” ということになっていたのでしょうか? (これも、再確認してみましょう)。

MEMO:
父が他界する直前、がんを病んでいることを知っていた母は、父が亡くなったことのショックとがんに向き合わなくてはいけないという二重のプレッシャーの中にあったために、名義の変更どころではなかったように思います。

固定資産税の話しは別!??

ちょっと不思議に感じるのは、固定資産税は不動産の名義人(所有者)に対して課せられるのではなく、使用している者に課せられるという側面があるということ。

父が亡くなった時、葬儀をあげるためにも死亡証明書を役所に提出し、火葬許可証を発行してもらいました。
父名義の名義人が死亡し、所有者がいなくなった状態(と捉えるべきのように思いますが)になると、役所の課税課から “固定資産税を誰が払うかを相続人の間で決めて申告してください” という意味合いの通知が郵送されてきました。

そのときの郵便物をコピーしておけばよかったなと思うのですが、その申告者宛に固定資産税の振り込みを求める連絡がくるようになったのです。
この時点で、父名義の建物・土地の固定資産税は母の名前で支払われることになりました。

繰り返しますが、母は所有者ではなかった? はずで、正確には “所有者との血縁を証明できる使用者“? だったように思うのです。

相続登記を行っておくべき状況

その後、母が亡くなった時、私は

  • 父・母の死亡を証明し(除籍謄本を提出し)
  • 父・母と私自身の血縁関係を証明し
  • 兄妹との間で遺産分割協議書を取り交わした上で

父と母の両方から実家母屋+土地(合計100坪)を相続し、私名義として登記する手続きを取りました。

もしこのとき、私が登記を行わず固定資産税を払うだけの存在だったら??

  • 私の妻と子ども
  • 妹2人、あるいはその子ども

と、法定相続人の枠は私が望もうが望むまいが拡大・移動していくのです。

そして問題は私のあとに起こる! というのが私の理解でした。
私名義(つまり、私が所有者)になれば、空き家法のような法律に対応する責任も発生するのですが、
私名義にしないまま、もし私が死ねば、私の妻と子ども以降、法定相続人となる血縁者に累が及ぶことになります。

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それが相続登記をしておくべき状況だと判断した理由です。

空家法にはこんな記述があります。

*: (空家等の所有者等の責務)
第三条 空家等の所有者又は管理者(以下「所有者等」という。)は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適切な管理に努めるものとする。

出典:国土交通省ホームページ・「■空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年11月27日法律第127号)

ここまでたどってみると分かりますね。
「もし私が死ねば、私の妻と子ども以降、法定相続人となる血縁者に累が及ぶことになる」 と私が考えた時点の状態のまま、兄妹もなく、私の妻も子どもも行方知れずだとしたら、実家だった土地・建物は所有者不明土地になるのですね。