『”腎臓” が寿命を決める』?! - NHKスペシャルが見せてくれた新しい世界

NHKスペシャルで紹介されていたもの

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腎臓について、私たちが教わり、知っていると思っていた知識は “尿を作る臓器”?! だということだけ。
私たちの知識の中では心臓や脳、胃や腸が生命活動の基幹、さらに骨や肝臓がその生命活動を見えないところで支えてくれる重要な役割を果たしている… そんなイメージがありますね。

ところが、

心臓の専門医が高血圧で苦しんでいる患者を治療するために腎臓を手術する

という、私たちにとっての常識? を完全に覆すような事例がNHKスペシャルで紹介されていました。ご覧になりましたか?

腎臓は全身の臓器の必要に合わせて尿を作り - 体の外に何をどれくらい排出するかを決めて尿を生成し、血液を浄化すると同時にその成分を制御している -
“腎臓” が寿命を決める』 というタイトルが示しているように、腎臓は私たちの体が生き続ける、その生命活動の中央管制センターだとうことが分かってきたという内容でした。

私たちにできる健康管理の第1歩

第一集 “腎臓” が寿命を決める - という番組に感じたのは、医療に取り組む専門家 - 研究者や医師・看護師 - の人たちが報道機関といっしょになって公開してくれるこうした情報にふれることは、私たちにとっては自分の中にある常識を入れ換えることになる。
そして、その常識を塗り替える作業が、私たちにできる健康管理の第1歩なんだなということです。

『”腎臓” が寿命を決める』 というタイトルを見るのと同時に私の脳裏には、がんの宣告を受けたときの母の右腎臓のレントゲン、そしてCT画像の記憶がよみがえっていました。

握りこぶしより少し小さいくらいの臓器と説明される腎臓が、その握った手の指をわずかに広げようとしているほどに広く大きくなって、そら豆のような形は原型をとどめてはいなかったのです。

病院に行かなくてはいけなくなる!! 入院したり、手術したりしなくてはいけないことになってしまうかも知れない!! … そんな子どもが感じるような恐怖感や心配を感じていたかも知れません。だから、誰にも言わず隠しておこうとしていたかも知れません。
体の異変をどの程度感じていたか語ることがありませんでしたが、母は私たちにそんな異常を感じさせるような、痛みを訴えたり不審な行動を取ったりというようなことは露ほどもありませんでした。

クルマの運転をしては仕事仲間と思うときに思うところへ行き、思うような仕事をして、「老老介護だね!」と笑いながら要介護認定をもらっていた父の検査や診察に付き添うなど、まったく変わりはな

かったのです。

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(c) Can Stock Photo / CANopus
高血圧と腎臓?? - 母の場合

素人考えで安易に結びつけて納得するようなことは慎まなくてはいけないだろうと思います。

けれど、今にして思えば、腎臓に異常が起こっているという現れだったのではなかったかな? という症状がありました。
「医師に診察してもらい、処方してもらった薬もちゃんと飲んでいるのに血圧が下がらない」 - 母がそんなことを言っていた時期がありました。

がんの診断を受ける1年ほど前からのことで、宣告を受ける6か月ほど前には、ほとんど歩くこともできなくなるのではないかと思うほど、歩く足取りがおぼつかなくなってしまったのです。歩くのに出す1歩1歩が30cmか40cm。つまり、正常な時の半分も踏み出すことができなくなった時期があったのです。その症状は3か月弱でしょうか、続き、やがて少しずつもとに戻りはじめ… そうした時期にがんの診断を受けたのです。

それまでの血圧は10か月ほどさかのぼった期間、上が200を下回ることがあまりない、という状態でした。

母の場合、大腸、甲状腺、そして腎臓ががんに蝕まれていたのですから、高血圧=腎臓 と安直なことは決して言えません。
けれど、「命の危険を感じるほどの高血圧」と言い続けていたし、かかりつけ医で血液検査も受けていて、血圧を管理すべく薬の処方も受けていた… それでも血圧が下がらないなんていうときには、腎臓=生命活動の中央管制センターということを思い出してみるといいのかも知れないと感じるのです。

沈黙の臓器という言葉があります。そんな臓器の代表には肝臓が挙げられることが多いと思うのですが…
状態の悪さを抱えていてもバランスを取ろうとする機能を働かせながら休むことなく働きつづけ、休むことなく働きつづけるがゆえに限界を超えてしまったときには、命そのものが危険にさらされてしまう - 痛みのような自覚症状を感じることがない臓器だから健康診断のような定期的な診察を受ける以前に、ふだんの生活でも十分に気をつけよう。

そんなイメージと結びついた言葉です。

母の例を思い出しても、腎臓も沈黙の臓器だということがはっきりと分かります。
しかも、体の左右に1つずつ、2つが1対になった臓器で、こうした万一の状況で一方を切除せざるを得なくなっても残った1つで命をつなぐことができるとまで言われる臓器です。

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ただ、この番組で紹介されたような、命の中央管制センターなのであれば、その片方を失うということが体の見えないところにどんなアンバランスを生じさせるか、想像できるような気がします。

もしかすると、こうした情報にふれて、古くなってしまった常識を新しいものに入れ替えることで、私たちの中では健康に対する感覚やふだんの生活に対する感覚まで変わってしまうということもあるかも知れません。

でもその変化が消極的なものではなく、命の不思議という感覚を越えて、命が持っている素晴らしい機能… そんなふうに、自分自身をいつくしむ思いを持てるといいなと感じます。

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