木工用ヤスリ - 切る・削る & 仕上げるの中間の機能

加工にも仕上げにも使えるヤスリだけの便利さ

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のこぎりで切断したままの切り口ではちょっと困る、切り口に対して水平にかんなをかけることができれば面取りもきれいにできるだけれど木目を考えるとそういうわけにはいかない - たとえば、小口を面取りするような場合を考えてみると、かんなを動かす向きを工夫して回数を分ければ目的を達成できるでしょうか?

加工する材料のサイズによって加工する - 切る、削る - サイズも大きくなるのが普通ですが、切る、削るの長さが一定以上に小さくなると、その道具が使えない、その道具では仕上げができないということが起こります。

切断をのこぎりだけで、ほぞの加工をのみだけで、あるいは面取りや表面仕上げをかんなだけで仕上げることがむずかしいというシチュエーションは意外と多いもの。どれも切れ味鋭い刃のついた道具ばかりですから、仕上げ作業が細かくなるほど、むずかしさも増してしまうという傾向があります。

my wood file comes from hyogo prefectureそんなとき、

  • 一挙に切ったり削ったりする道具
  • 紙やすりのように滑らかさを仕上げるだけで形を変えるのには向かない道具

中間の性能を発揮してくれるのがヤスリです。

のこぎりやのみ、かんなのように強く切れ味鋭い刃で切ったり、削ったりする道具は刃の切れ味が鋭いだけに、仕上げや仕上げに近い微妙な加工に使うのがむずかしい - そう感じるときには木工用のヤスリを使うことを考えましょう。

「均一な平面加工」という点ではのこぎりかんなにはかないません。
しかし、のみをつかったほぞ穴の加工、その仕上げ工程などでは意外と威力を発揮してくれます。道具の使い方、切る・削るの精度を上げようとしながら作品作りに取り組もうとするのであれば、のこぎりやのみの使い方の問題点を確認しながら修正する(仕上げる)ということができます。

紹介している私の木工ヤスリは平型。裏表が平らになったものですが、製品の中には丸型と言われるうすい半月型のものがあります。サイズと形は加工の目的に合わせて選んでください。

 ヤスリの使い方

ヤスリは、加工する材料をバイスなどでしっかり固定し、両手で使うのが基本です。その点、のこぎりやのみと変わりません。

ただ、のこぎり、かんなが引いて使う道具なのに対して、ヤスリは押して使うようにできています(考えてみると、これはちょっと不思議かも知れませんね^^)。しかも、引くときには刃を材料から浮かすようにします。引くときに刃が材料と接したままだと、刃が傷みやすくヤスリとしての寿命が短くなってしまうので気をつけましょう。

お分かりでしょうか?このヤスリの使い方というのは、ヤスリの長所と短所を言葉を変えて言っているのと同じなのです。つまり…

刃を戻すときに材料から離し、(加工するときには)押して使う… ということは、
加工の距離(ヤスリの刃が材料を加工している距離)が短いということ。あるいは、
加工の距離を短くイメージして使うようにすると、効果的・効率的な加工ができるということです。

 木工用ヤスリの刃
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blade of wood file木工用ヤスリは金属用のものに比べ、刃が大きく粗くできています。写真は右側がグリップですから、押して削る道具であることが刃の向きからもはっきりと分かりますね。

ヤスリの手入れ

ヤスリはのこぎりのように木くずを吐き出すような構造にはなっていません。
そのため、使っている最中も目詰まりを起こすことがありますが、目に詰まった木くず(木の粉末というほどに細かなものですが)は湿気を含み刃の錆の原因になることがありますから、使い終わったあとはワイヤブラシなどで木くずをよく落とし、乾いた布で拭いたあと、機械油をひいて保管するようにします。
手入れと保管の面では、のこぎりやのみなど他の道具と変わりません。

ヤスリが必要になるかどうかの私の目安は、作品のサイズ。作品のサイズが自分の肩幅よりも小さくなると、ほぞをはじめとする組み立てのための可能が細かくなりますから、木工ヤスリが手元にあると助かるかなと思うのです。

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