まじめに真正面から命を考えたい - だからこそ 『あした死ぬかもよ?』

命に限りがあることを思ったら、大切なことはもっと別のところにある•••
そのことに気づくだけでも充実した今日を生きることができるんだ•••

そんなことを教えようとしてくれるのは、ひすいこたろう氏が綴った 『あした死ぬかもよ? 人生最後の日に笑って死ねる27の質問』 。

確かにそうなんだろうと思うけど、死ぬということを前提に今を生きるというのは「そんな簡単なわけにはいかない! 」と感じさせることばかりかも知れません。

たまたま私がそういう話題を受け入れられ年齢になっているとか、そういう問題を考えたいという感覚の持ち主だとかいうことなのかも知れません。ただそれでも、終活とか身辺整理という言葉を意識する人にほど、存在を知らせたい著書です。

いのちを考えるとき
(c) Can Stock Photo

自分はなぜ、何のために生まれてきたのか、という疑問 - 人生のどこかで一度は考えたことがあるのじゃないだろうかと思うのですが、みなさんはどうですか?

せめて自分なりに答えを出せないものかと頑張ってみても、とてもむずかしい疑問だと思います。

 

その疑問に取り組んでみたことのある人であれば、もしかすると、不謹慎だと感じるのではないかと思うほど軽いノリのタイトルです。しかしこの著書は、その疑問への答えを求める人のために、まじめに真正面から語りかけてくれます。

私もこの数年、私たちは 「生きるために生きている」 、つまり、死ぬことを前提にては生活していないということを実感してきました。死を意識した生活というのはとても辛く、重いものだということを家族のがん闘病の中で感じてきました。それは患者本人はもちろん、支える家族にとっても同様です。

がんの宣告を受けた瞬間、あるいは余命宣告を聞いたその場で死ぬ日のための準備へと心を切り換えられる人はそう多くはないように思ったのです。
生きることが前提になっているからこそ診察を受け、治療を受けようとする - それが「生きるために生きている」という意味です。

 

かつて悩んだ 「自分はなぜ、何のために生まれてきたのか」、「どう生きるべきなのだろう」という思いを忘れていないし、助かる見込みがない患者にはいつ何が起こっても不思議はないのだからと覚悟を決めていたつもりでも、死ぬということを受け入れながら生活をするというのはたやすいことではない、そう思ってきたのです。

 

ですから、タイトルが妙に軽いと感じ、違和感を持った人はページを開いてくれることはないのだろうな - そう感じます。

それに何より、大切な問題だけに、その語り口がとてもストレートです。
逃れようのない節理はそのままに受け止めるしかない、しかも、止めることのできない時間の中でその節理は動いている - そこから目をそらしてはいけない、その節理をしっかり受け止めることができれば必ず視野がひらけるのだと力強く語りかけてくれるのです。

その分かりやすさも、押し付けがましさや違和感を感じさせるかもしれません。そう、大切な問題だけにです。

どういうわけか、人は、「自分だけは死なない」と思っています。
「死ぬのはいつも他人ばかり」。
画家のマルセル・デュシャンが、そう墓碑銘に刻んだように。

かつてサムライたちが、あれだけ潔く、情熱的に生きられたのは、「自分はいつか死ぬ身である」という事実から目をそらさずに、「この命を何に使おうか」と、日々心を練っていたからです。

死をやみくもに恐れるのではなく、サムライたちのように、死を、ちゃんと「活用」しませんか?
死は、生を完全燃焼させるための、最高の「スイッチ」にできるんです。

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サムライの美学を今の私たちの感覚に重ねるのは少々無理があるようにも思います。「いつか死ぬ身である」ことを心得た、あるいは受け入れようとする心情はそうした信仰、あるいは価値観、死生観といった精神的なものに支えられていたのでしょうから。

ただ、それでも同じ日本人として、私たちは著者が言おうとしていることをそれとなく理解できているようにも思うのです。そして何より、著者が言う「死は、生を完全燃焼させるための、最高の「スイッチ」にできる」 - ということの意味を私たち自身が確認したいと思っているように感じます。

生きているって、大好きな人に会えること。会いに行ってその人を感じることができる。これ以上の幸福ってありますか?

そして、キミが大切に思っている人は、同じように、キミが生きていることで幸福を感じているはずです。幸せの本質は、そこにいてくれること、「存在」にこそあります。

そのことが分かっているからこそ、失うときのことを知らなければならない - 著者が語りかける 27の質問に答えてみませんか?

 

 

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