P.F.ドラッカー 『見えざる改革』- 半世紀前に語られていた高齢化社会

高齢者と言わず、ベテランと呼んで!^^;

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ドラッカー氏の著書の翻訳者として知られている上田惇生さん。

上田さんはその著書「P.F.ドラッカー 完全ブックガイド」の

▼人を粗末にしていないか

というタイトルの章で、高齢化社会をメインテーマにした『見えざる革命 』という著書と

「企業も労組も政府も 、これからの時代においては 、人生もそして仕事も 、六五歳から再びはじまるという事実を受け入れなければならない 」

と言うドラッカー氏の言葉を紹介しています。そして、

しかし 、どうでしょう 。今 、日本で議論されているのは 「社会 」ではなく 「会社 」がもたないという話ばかり 。 『見えざる革命 』は多くの人が読んでいたはずなのに 、いったいわが国は四〇年もの間 、何をしていたのだろうと愕然としてしまいます 。

と語っています。

『見えざる革命 』が発表されたのは 1976年 といいますから、半世紀近く前のこと。それほど昔に高齢化社会を語っていたということですから、当時、その著書を読む人がどれくらいいただろうと思ってしまいます。

そもそもいくつからが高齢なのか?

高齢者の雇用に関係する日本国内の法律

中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法」という法律が制定されたのが 1971年。つまり、『見えざる革命』の5年前。ドラッカー氏の『見えざる改革』は、そうした世界の? 動きを受けて書かれたのだろうなと想像されますが、その法律が私たちが知っている通称「高年齢者雇用安定法」(「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」)にバージョンアップされたのが1986年

その法律の年齢に関する定義は…

この法律において「高年齢者」とは、厚生労働省令で定める年齢(55歳)以上の者をいう(第2条1項、施行規則第1条)。

(中略)

事業主がその雇用する労働者の定年の定めをする場合には、当該定年は、60歳を下回ることができない

出典:Wikipedia・「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律

つまり、”定年を定めるならは60歳以上としなくてはいけないけれど、この法律上の高齢者は55歳以上” ということになっている… それが上田さんが愕然とした理由ですね。

1996年時点のドラッカー氏の言葉も紹介されています。

「経済界が社会的なリーダーシップを取られていることに敬意を表します。一つ苦言を呈させていただくならば、社会の高齢化への対策として、定年延長の具体策があればと存じます。七五歳までの定年延長なしに先進社会を維持することはもはや困難だからです。ただしそのための条件として、六〇歳以上の高年者の、ラインから専門職ポストへの異動、雇用形態の弾力化、現役続行の魅力の増大などが必要と考えます」

 

「高齢者」は「若手」という言葉と対をなしていることを忘れずに

会社組織に属する現役サラリーマンの感覚で考えているのですが…
高齢者 - それが55歳以上、60歳以上、あるいはそれ以上の年齢であろうが - が働きつづけるということは、高齢者未満の - つまり、現役と呼ばれる - 人たちの仕事とセットで考えるのでなければ意味はないだろうと感じています。

ドラッカー氏が言っていたという「ラインから専門職ポストへの異動」というのは、生産に直接関係する命令系統の中で進める仕事ではなく、特定の仕事・分野で力を発揮する仕事に切り替えることが必要だと言っているのだろうと感じますが、これにも私たちは注意をしなくてはいけないのだろうと思います。

ドラッカー氏も意識して言っていただろうと思いますが、
高齢者は守備範囲の中での豊富な経験とノウハウを持っていて、生産に直接関係する命令系統の中で分析や判断・決定をしてきた - そうだとすれば、その人たちが専門職へと立ち位置を変えるということは、その役割を誰が担うかという問題と切り離せないはずだからです。

言うまでもないことですが、高齢者の仕事を変えるということは、若手(現役世代)の仕事を変えるということと一体でなくてはできることではない… もしかすると、上田さんが愕然としたという40年以上の停滞? は、そういうシステム的な変換に直接手を下すことができないできた私たち自身が原因だったのではないかとも感じます。

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けれどそれは悪いことではなくて、私たち自身が状況を認識して、対応せざるを得なくなるまでタイミングを計るためには必要なことだったのかも知れません(今行動できている・行動しようとしているとすれば、ですが)。

 

国民レベルの同意を得ることはそう簡単なことではないだろうとは思いますが、私の父親も55歳定年で現役を退いた人だったことを思い出したり、リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット氏の「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略」が盛んに取り上げられていることを思うと、”鉄は熱い時に打つ” のが日本人の国民性なんだなとあらためて感じます。

『LIFE SHIFT』と『見えざる改革』が語っている高齢化社会は別のもの? というようにも感じますが、『LIFE SHIFT』に注目することで、『見えざる改革』を半世紀近くたって学び直している!? のだとしたら、高齢化社会にどう対応するかに今、答えを出そうとしているようも感じます。

 

 

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