『キラキラ共和国』 - 『ツバキ文具店』の続編はポッポちゃんの幸せについて

物語はつづく - 自分をみつめることの大切さを教えてくれる物語です

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ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~ というタイトルでNHKで放送されていた作品は、あなたのその思いを伝えるには… そんなことを語りかけてくれるような物語でした。

その続編「キラキラ共和国」を読んで感じるのは、「ツバキ文具店」で描かれていた物語の雰囲気がそのまま蘇ってくる感覚 - 番組を通してたどった「ツバキ文具店」の物語がそのまま蘇ってくるようで、番組では、監督はじめ出演者のみなさんやスタッフの人たちが原作の雰囲気をそのまま映像にしようと努力されていたのだろうなと感じさせてくれます。

 

「ツバキ文具店」で描かれていたのは “あるがままの心” やその心の居場所 - そんな気がしていました。先代と主人公の間にあった軋轢をふたりはどんなふうに乗り越えていけるだろう… そんなことを感じさせるストーリーでした。

…. 私は当然、先代が喜んでくれるだろうと期待していた。けれど、結果はさんざんだった。
私からカーネーションを手渡された先代は、その花をしばらく見つめてから、こう言い放った。
「私は、ナデシコの方が好きだね。
バカのひとつ覚えみたいにさ、母の日にはカーネーションを送りましょう、なんて、花屋の戦略に踊らされているだけだよ」
そして、ラッピングされたカーネーションを私の手に突き返しながら、こう続けたのだった。
「返しておいで、そんな品のない花にお金を払って、もったいないだけだから。それに、どうせ枯れてるんだし」
それからは、泣いた記憶しかない。

出典:小川 糸 著・「キラキラ共和国

そして、どこまでも自分を変えることなく、自分の本当の思いをそのまま主人公に伝えずに他界してしまった先代。その先代の思いを人づてに知って、先代の思いを感じることができなかった自分を責めるようにしながら心の成長をしていく主人公。

思いとか言葉というものは、紙に包んで引き出しにしまった花の種子と同じ。

芽を出すことはできないし、花を咲かせることだってきない - けれど、紙の包みを解いて土に帰してあげて、水と陽射しを与えてやれば、必ず芽を出し花を咲かせることができる… そんなことを感じたものです。

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(c) Can Stock Photo

自然な自分を生きるということを感じさせてくれる物語

「ツバキ文具店」の雰囲気をそのままに「キラキラ共和国」に描かれているのは -
生きている時には受け取ることができなかった先代の思いさえ受け止めたポッポちゃんのその後の暮らし。しかも、大切に思う人と家族となったポッポちゃんがどんな毎日を過ごして、大切に思う気持ちを守っていくか… そんなお話しです。

まずは、半紙に自分の名前を書いてみる。

守景鳩子

これから先の人生で、何千回、何万回書くのだろう。そのたびに、少しずつ守景鳩子としての輪郭が濃くなっていく。
もちろん、不安もある。だって、ミツローさんと出会ったのだって、たまたまだ。たまたま私がミツローさんの営むカフェに入ったから、知り合いになった。こんなふうに、目の前にあるものだけで幸福を積み上げてしまっていいのから、と思う。けれど、だからといって、世界中の人と知り合って、話したりデートしたりして「世界で一番」を選ぶなんて不可能だ。

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どこにでもありそうな、けれど、余計なものをつけないやさしい言葉で綴られたポッポちゃんの暮らしや思いは、こうしてその時その時の自分を大切にできたらどんなにいいだろうと感じさせてくれます。

自分もあのとき、ポッポちゃんとよく似たことを感じたり、考えたりしていたなと思える時を探して、自分の場面を巻き戻して、物語の中のポッポちゃんの時計にそのころの自分の場面を重ねることができそう… その場面をページを繰りながら見ているような不思議な感触を味わうことのできる物語… そしてやさしい言葉です。

休みの日一日を使って読んでしまえる滑らかな物語 - そう感じています。

 

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